モイタラ(Meuterer)は「反逆者」「暴徒」「叛徒」などの意味を持つドイツ語です。その物騒なタイトルを冠した小箱系ボードゲーム「モイタラ」を今日はしっとりご紹介したいと思うよ。
先日アーチゲームズさんでバトルライン中世騎士版をポチった時、なぜか一緒にするっとカートに紛れ込んでいた作品がこのモイタラ。アーチゲームズさんの商品コピーを読んでいたら、ついつい欲しくなってしまった逸品です。
小箱カードゲームですが、プレイ感は中量級のボードゲームそのものです。プレイヤー間の駆け引きを楽しめる作品です。また、メーカーのAdlung社の100を超えるゲームの中で最も評価の高いゲームとなっています。
こういうコピーには弱いのよ....(。-з-)チキショ
果たして船上で繰り広げられる駆け引きはどんなものなの?どうなの?どうなのよ?届いたゲームが思いの外小さいサイズだったモイタラ。開けちゃいますよ!
モイタラ 反逆者(Meuterer)
プレイ人数:3〜4人
対象年齢 :12歳以上
プレイ時間:45〜60分
Boardgamegeek
パブリッシャーはAdlung-Spieleです。あんまり聞いたことがなかったので調べてみたらば、なんか同じサイズと思われるボドゲがワサワサある。。。あとでゆっくり見ませう。
コンポーネント
モイタラはカードゲーム。全てのコンポーネントがカードで収まっているタイプで、個人的にこういうコンポーネントはかなり好きである。今回アーチゲームズさんの和訳付きを購入したけど、和訳シールを貼ると箱に収まらなくなるのが残念。
ルールを覚えてそのまま持ち運ぶか、それともシールを貼ってプレイアビリティをあげるか、かなり悩ましい。(悪いこと言わないから貼れ)
カード
それぞれのカードを確認しよう。カードのみで構成されたゲームは、カード効果だけではなく、カードの種類を正しく把握する事で遊びやすさがかなりアップする。
サマリーカード
カードの効果やらなんやらが書いてある。プレイエリアはこう作るんだよ、っていうのを図解で示しているところは凄い。
なおドイツ語なので読むことは出来ない。
島カード
プレイボードがわりになるカード。裏表それぞれの面で商品が売れる(茶色)、売れない(青色)を表すよ。
各島ごとで売れる商品が決まっている。
目的地カード
どの場所に船が向かうかを示すカード。反逆が起きると予期せぬ島に目的地が移ってしまうことがあるのだ。
船カード
停泊している島の上に置かれるカード。現在の停泊地と、1つ前の停泊地だった島でそれぞれ商品が売却できる。
商品カード
売り飛ばすことで勝利点が入ってくるカード。停泊地の島で一番の枚数を売り飛ばすことができれば勝利点がもらえる。
戦闘カード
戦いになった時の戦闘力を決めるカード。反逆が起きた時の頼みの綱。
アクションカード(役割カード)
各ラウンドで得点を得る方法が決めるアクションカード。ラウンドごとに自分がどの役割のカードを選ぶかで、商品売却以外の得点方法が異なるのだ。
船長
船長は基本的にアクションカードを選べない。(役割が変わらない)ただし反逆にあい、その立場を奪われることがある。次の目的地を決めることができるカード。
航海士
航海士は反逆が発生した時に船長の味方になるカード。船上で反乱が発生し、鎮圧に成功すれば船長が指定した勝利点を得ることが可能。
反逆者
船長の座を奪うことができる反逆者。このゲームのタイトルにもなっている。船上の反乱が成功すれば目的地を変更できる他、次のターンから船長になれる。
見習い水夫
反乱発生時に反逆者の味方になるカード。決まった勝利点をもらえる。
商人
商品売却時に首位のプレイヤーが自分の他にいても、常に最高得点をもらうことができるカード。
積み荷係
次のラウンド時、積荷(手札)を選択することができる。
海賊(パイレーツ)カード
海賊カードは海賊ヴァリアントルールで遊ぶ時に使用するよ。
モイタラのルール・手番の流れ
小箱のゲームではあるものの、モイタラのルールはちょっとややこしい。各フェイズごとの処理をしっかり覚えておく必要はある。ただ、1回くらいテストで通せば問題なく遊ぶことができるようになるよ。
ゲームの準備
- 島カードをテーブルに円形に並べる
- ハイランド島を商品売却可能な面(茶色の面)にする
- 船カードをハイランド島に配置
- 目的地カード2枚を島の脇に並べておく
- 戦闘カードと商品カードをあわせてよくシャッフルし、プレイヤーに5枚づつ配布する
- 最初の船長を(お好きな方法で)決めて船長カードを2枚渡す
- アクションカードをよくシャッフルし島々の中央に伏せて配置
進行ラウンド、得点を記録する方法は別に準備が必要なので、注意しよう。スマホのメモ帳でも出来なくないのでそんなに困らないと思う。
勝利条件
4名プレイ:8ラウンド/3名プレイ:9ラウンドをプレイして、最終的に一番多くの勝利点を得たプレイヤーの勝利。 ラウンドと勝利点は別途記録しておきましょう。
ゲームの流れ
各ラウンドは10フェイズに分かれて進行するよ。
フェイズ1:船長カードのプレイ
船長は船長カードを1枚プレイし、航海士に分け与える勝利点(0〜3点)を示す。反乱が起きない、または反乱を制圧した時に船長から航海士に支払う勝利点が決定する。
フェイズ2:商品の販売
手札を1枚づつプレイするフェイズ。商品の販売、またはアクションカードの選択のいずれかを行う。船長から時計回りに順番に。
A)商品カードのプレイ
手札から1枚、商品カードをプレイする。販売不可能な商品でもプレイは可能だよ。戦闘カードをプレイすることも出来る。全員がパスするまで手番が回ってくれば商品カードをプレイすることが出来るよ。
B)パス・アクションカードの選択
船長はアクションカードの選択は出来ない。代わりにパスし、次の目的地を示すのだ。
次の目的地は船長の残り手札枚数分、いまの島から時計回りに移動した先が目的地になるよ。
船長以外のプレイヤーはパスを行い、中央にあるアクションカードの山札を全て手に取り、1枚を選択して自分の前に裏向きで伏せる。
残ったアクションカードは重ねて場に戻し、手札の残りを伏せて自分の前に配置しておく。
フェイズ3:アクションカードの公開
プレイヤーは手元に伏せてあったアクションカードを一斉に公開するよ。
反逆者を公開したプレイヤーがいた場合、反逆者の目的地カードを船のある島から時計回りに手持ち手札の枚数分を移動した島に配置するよ。
反乱が起きたのだ。
フェイズ4:反乱
誰かが反逆者のカードを選択していた時にのみ発生するフェイズ。船長から時計回りに1度だけ手札から任意の枚数の戦闘カードをプレイすることが出来るよ。フェイズ2でプレイした戦闘カードと合算した数値が戦闘値になるよ。
a)船長+航海士の合計戦闘値
b)反逆者+見習い航海士の合計戦闘値
フェイズ5:勝利点の獲得
商品の売却と反乱の結果を整理して勝利点を配分するよ。
A)反乱の結果
a)船長たちの勝利(反乱の制圧)
- 反逆者の目的地カードを取り除く
- 目的地カードのある島の勝利点を船長が獲得する
- 航海士は1勝利点に加えて、船長から示された勝利点を船長から分配される
b)反逆者の勝利(反乱の成功)
- 船長の目的地カードを取り除く
- 反逆者は反逆者の目的地カードがある島の勝利点を獲得する
- 船長から船長カードを受け取り、次のラウンドから船長となる
- 見習い水夫は2勝利点を獲得する
B)商品の売買
- 販売可能な島にある商品ごとに場にプレイされた商品の枚数を比べる
- 一番多くの枚数をプレイしたプレイヤーがカードに示された勝利点を獲得
最多枚数をプレイしたプレイヤーが複数いた場合、人数によって勝利点が変わる。
※例えばこの場合は勝利点3点づつ獲得する
ただし商人となっていたプレイヤーについては、同率首位の人数に関わらず最高点を獲得できるよ。
フェイズ6:船の移動
現在の島以外を販売不可の面にするよ。
その後、目的地カードに船を移動し新しい停泊地の島を販売可能な面にする。
フェイズ7:クリーンアップフェイズ
- 目的地カード2枚を島カードの脇に配置する
- プレイ済みの商品カード(戦闘カードを含む)を捨て札にする
- プレイヤーは伏せておいてあった商品カードを手札に戻す
フェイズ8:商品カードの補充
- 船長から順に商品カードを5枚になるように山札から引いて補充する
積み荷係は5枚になるよう山札から引いたカードに加え、さらに3枚カードを引いてその中から3枚不要なカードを選択して捨て札の一番下に入れる。もともと手札に残っていたカードを捨てることは出来ないので注意だぞ。
フェイズ9:アクションカードの返却
- 使用したアクションカードを全て島の中央に戻し、裏返して山札とする
フェイズ10:次の島へ
ラウンドを終了し次のラウンドを開始する。ラウンドを記録しているのであればこの時点で記録すると間違えないよ。
モイタラのちょっと面白いところ
船長の迷い
船長は目的地カードを決定できる代わりに、アクションカードを選択することが出来ない。反乱を防ぐことで勝利点を独占的に得られるのも魅力だ。しかし航海士となってくれるよう、他のプレイヤーの気を引かなければならない。
船長カードで示す勝利点の分配や目的地の選択など、間接的に他のプレイヤーの動向を読まなければ思うように勝利を手にする事は難しい。そして常に狙われているというプレッシャーから、大胆に売り抜ける事も躊躇ってしまう。
他の役職の思惑
反乱を起こし、船長の座を狙うことで結果的に自分自身が船長になる事ができる。
奪い合いで得られるメリットを考慮しつつも、商品売却で堅実に勝利点を稼ぐかの判断が悩ましい。例えば戦闘カードを一枚もプレイしていないプレイヤーがいれば、そいつは商人なのかもしれない。見習い水夫は誰か反乱を起こすことを期待せずにはいられないのだ。
まとめ
やべーなモイタラ。あやつり人形が好きなのでこのシステムはかなりツボった。ツボだなー。ルールは最初頭に入ってこなかったのだけど、遊んでみればすんなり理解できる系だと思う。他プレイヤーがどんな役職を狙っているのか、船長の時と他の役職の時とで考えることも異なる。反乱を成功させるにはタイミングも大事だし、手札のプレイイングにも気を使う。戦闘カード出しすぎるとバレるだろうし。
読み合いや駆け引き、他のプレイヤーの利益も考えつつ最後には勝利点を独り占めできるような戦略を考える楽しさ。島々で売却できる商品の種類が固定されているのも悩ましさを増加させてる。
掌にちょこんと乗ってしまうくらい小さい箱(ほぼカードサイズ)なのに、面白さがぎゅっと詰まったモイタラ。軽いゲームではないけど、バッグにいつもいれておくのは良い選択だと思う!
【販売情報】
アーチゲームズさんで和訳付きをポチりましたが、記事執筆時点では売り切れ。
再入荷、あるかな?
同じシステムを採用しているフェレータは和訳付きで流通してたりするかしら。