ども。コモノです。
昨年のゲームマーケット2021秋で少数(といってもかなりあったけど)が先行販売され、その後の一般への販売を待ち望まれていた方が超たくさんいたボードゲーム「プエルトリコ20 日本語版」が遂に発売されました!
人気作の宿命か予約合戦もしっかり勃発したので、ちょいっとすったもんだあった感も無きにしも非ず。そこのところは有名税というか致し方ないと言うものでしょう。プエルトリコがなんでこんなに人気なのかといえば、名作と誉高い本作は日本語版の入手が長らく困難だったから。2020年にアレアが装い新たにした白い箱の魅力も相待って、以前のファンも名作を手にしてみたいというニューカマーもずっと心待ちにしていた所に再販情報。それでまとめて殺到したからでありましょう。そりゃ、気持ちは解る...(殺到したし)
そんなわけでウキウキしながら到着を待ってたプエルトリコ20、今日はしっかり開封してみたいと思います!
プエルトリコ20 日本語版
プレイ人数:2〜5人
対象年齢 :12歳以上
プレイ時間:70〜120分
国内発行元:メビウスゲームズ・Engames
Boardgamegeek
プエルトリコ20ってどんなゲーム?
プエルトリコの初版は2002年。実はもう20年も前のボードゲームです。20年ってマジか.....
今回日本語版になったのは2020年にaleaのRevised Big Boxシリーズのひとつとして制作されたバージョン。2002年の発売時に「ヴァリアブル・フェイズ・オーダー」を採用して世界のゲーマーから絶賛を浴びたプエルトリコは、ボードゲームギークのランキングでも5年間トップに君臨しつづけた名作中の名作といわれるゲームです。20年経った今なおこうして新しい版が発売されるように、世界中に大勢のファンがいる人気のあるタイトルなのだよね。
ヴァリアブル・フェイズ・オーダー
初めてこのフレーズを目にした時、武器か何かが出て来るのかな?と思ったのを覚えています。このメカニクスはプレイヤーの選択によってフェイズの内容が変化するメカニクスで、プエルトリコが初めて採用したゲームです。(というかプエルトリコによって生み出されたのよね?)
ゲーム中、プレイヤーは異なるフェイズ進行を持っている役割を手番順に選び、その役割に応じた内容でフェイズ内の行動を行います。ただし役割の選択権は手番順になるので、自分の前に選ばれた役割は同じラウンドで選択することは出来ません。いわゆる早取りが起きるのです。このため人気のない役割においては選択される事なく場に残るという事が起きてしまいます。それをプエルトリコはコインボーナスという方法で補いました。選択される事がなかった役割にラウンド終了時にはコインを与え、次のラウンドでその役割を選択したプレイヤーがコインも一緒に受け取ります。しかもコインは累積。ずっと選択されずに残っていた役割には大量のコインが積み上がり、不人気だったはずなのに一躍注目の的になりえるというボーナスシステムなのです。これがゲームの完成度を高めているのはいうまでもありません。
また、役割の早取りで起きる偏りを軽減するため、各プレイヤーの選択した役割(フェイズ)による恩恵を全プレイヤーが受け取る仕組みもあり(選択したプレイヤーには特権が別途与えられる)、極端な差がつきにくい点も長く遊び続けられている理由です。
4つの拡張が同梱
プエルトリコ20には基本ゲームの他に4つの拡張が同梱されていますよ。
拡張1:新たな建物
新しい建物タイルが追加されます。建物名が緑色の字で書かれております。
拡張2:貴族
新しい建物タイル、貴族コマが追加されます。赤い字で建物名が書かれています。
拡張3:バッカニア
アグレッシブな拡張で、他のプレイヤーから商品を奪ったり身代金をとったり出来る拡張。仲良しのメンバー向けかな。
拡張4:祝祭
「祝祭」はイベントのプロモ拡張だったもの。3つの目標設定がされてプレイ中一番最初に目標を達成したプレイヤーは恩恵が受けられるのです。
プエルトリコ20のコンポーネント
箱を開けた時には若干のスカスカ感が漂います。
aleaブランドのゲームは基本的にアレアの香りが入っているのですよ。間違いありません。
日本語化されたタイル
日本語版なのでタイルの文字も日本語です。建物名とかは分かりやすいよ。タイルは両面仕様で、初心者向けに建物の効果が描かれた面と、建物のイラストが描かれた面とがあります。ルールブックの巻末に建物効果のサマリーはあるので、好きな面で遊んだら良いかと思いますな。ブルゴーニュの時も思ったんだけど、アレアのタイルって印刷ずれが結構目立つ印象ありました。そして今回もしっかりズレております。ゲームに支障はないので良いレベルだけども、せっかく高級感あるデザインなんだから、、、と毎度思うのはアタシだけではないはず。
しっかりした作りの箱
aleaのボドゲは高級感漂うところが好きなのですが、なぜだか箱そのものはペラペラの高級感を感じる事がない箱であることが多かったのですが、プエルトリコ20ではその点が少し改良されています。めっちゃしっかりしてる!というほどではないものの、これまでのaleaに比べるとしっかりした箱の作りになっているよ。
プエルトリコのルール・遊び方
もはや語り尽くされた感がありますので、詳しいルールは書きません。準備はタイルをならべてサプライを用意するくらいなので、重量級の中では群を抜いて準備は簡単な部類に入るかと思います。
ゲームの準備
プレイ人数によって使う労働者コマの数や勝利点チップの合計点・貨物船タイルが変わるのでその辺りの準備にはは注意が必要だぞ。
ゲームの終了条件
プエルトリコは以下の3つの条件のうち1つが満たされたラウンドでゲームが終了するよ。
- 親方フェイズ終了時に必要な数の労働者コマを雇用斡旋所に配置できない
- 建築家フェイズ中、最低1名のプレイヤーが12個の建物スペースを埋めた
- 船長フェイズ中、全ての勝利点チップが獲得された
手番の流れ
ラウンドの始まりは総督タイルを持っているプレイヤーから開始するよ。
- 手番がきたプレイヤーは役割タイルのうち1つを選んでそこにあるアクションを実行する。(タイルを獲得したプレイヤーは特権も忘れずに)
- 次に左隣のプレイヤーが同じアクションを実行し、順番に1人づつアクションを行う
- 全員がアクションを実行したのち、左隣のプレイヤーが役割タイルを選びアクションを実行する(特権もお忘れなく)
- 役割タイルを選んだ左隣のプレイヤーが同じアクションを実行する
- 以後順に、全員が1つの役割タイルを選び、その後アクションが一巡したらそのラウンドが終了する
異なる役割
ヴァリアブル・フェイズ・オーダーのキモとも言える役割。どの役割をどのタイミングで選ぶのかが勝敗に大きく関わってくるよ。
開拓者
共通アクション:農園タイルを1枚自分の耕作地に配置する
特権:農園タイルの代わりに採石場を配置できる
親方
共通アクション:労働者コマを1つ職業斡旋所タイルから自分のタイル上に配置する
特権:追加の労働者コマをサプライから1つとる
建築家
共通アクション:建物タイルを1つ取り、コストを支払って建築する
特権:建物を建てるコスト-1
監督
共通アクション:自分の生産能力に応じた商品コマを受け取る
特権:生産する商品(1種類)をプラス1する
商人
共通アクション:商品コマを1個売却する事が出来る
特権:追加で1ダブロン
船長
共通アクション:商品を1種類出荷する事が出来る
特権:追加で1勝利点
金鉱掘り
共通アクション:なし
特権:1ダブロンを銀行から受け取る
役割タイルのアクションは建物の効果ととても密接につながっていて、例えば監督で商品の生産を行いたくても、農園タイル(開拓者)、生産建物タイル(建築家)のどちらも配置していなければならず、さらにそれぞれのタイルに労働者コマが配置(親方)されている必要がある。
農園と生産建物の労働者数が一致していると商品ができるよ(写真の場合はタバコ1個)
ただし、これらのアクションはヴァリアブルフェイズオーダーのおかげで自分自身が選択しなかったとしても、他のプレイヤーのフェイズで実行できる事もある。これらの商品の生産から出荷、販売などの流れをどのように作っていくか、他のプレイヤーの狙いを見定めつつ常に自分に有利になるように役割タイルを選択しながらプレイしなければならない。役割の選択とタイミングは非常にプエルトリコでは重要になってくるんだよ。だよ?
ソロプレイはできる?
公式にソロルールは存在しないのだけど、BGGのフォーラムにはファミリールールがいくつか掲載されているよ。ルールの確認や役割タイル、建物の効果などを把握しておくため、それらで遊ぶのもひとつの選択肢だ。
2人用ルール
プエルトリコは元々3人から5人で遊ぶように作られたゲームで、基本的なゲームの説明も3人プレイが前提になっている。2人で遊ぶためのヴァリアントルールはルールブックに載っているので、そちらを見れば2人プレイも可能だぞ。
プエルトリコのルールは、少人数よりも少し多めの人数で遊んだ方がぎゅっと濃密でバランスのとれたゲーム展開になるので、それらを踏まえてソロや2人で遊んでみたほうが良い気もするな。でもソロってみたいという気持ちは、、あるっ!
プエルトリコ20の感想・まとめ
ボードゲームの金字塔と言われるプエルトリコ。サンファン2で大まかな流れは理解していたつもりだけど、やはり本家のルールはさらにバランス良く悩ましい事になってるんだねぇ...と実感します。また、昨今さまざまな所で問題提起されている差別的な表現についても出版社の注記がルールブックに載っていて、労働者コマが紫になった理由などが窺い知れる内容でした。
20年まえのゲームなのでやはり細かなところを見ればスマートじゃない感じがあったり、うぉっってなる処理があったりもするのだけど、ボードゲームで一番楽しみたい「次の手を考える」という点においては最近のゲームよりもシビアで痺れるような悩ましさを感じる部分もあり、未だ衰えず人気があるのも頷けるボードゲームでした。
ほとんどの情報が公開されているゲームなので、経験者と初心者ではかなり差がついてしまうかもしれない点は遊ぶ時の注意事項。可能なら同じレベル感の友達とかと、腕を競いながら徐々に上手くなっていくとより楽しめそうよね。
名作プエルトリコ、遂に我が家にお迎えできたので嬉しさひとしおでございます。上手くなるためには...とりまBGAかな( =ↀωↀ)=?
サンファン2も良いぞ?
【プエルトリコ20販売・再販情報】
まだ各所で入手可能です!