ぼっちのホビーBlog[ボドゲ版]

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【ボードゲームデザイナー】フリードマン・フリーゼ(Friedemann Friese)は何故に「緑の人」と言われるのか。鬼才と呼ばれるボドゲデザイナーの魅力とは?

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みなさま、フリードマン・フリーゼという名前を聞いたことがありますか?

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画像引用:Über 2F | 2F Spiele

ボードゲームを遊ぶ人であれば、聞いた事あるな!と言う方もいらっしゃるかと思います。彼の名を聞いて「知ってる!」と思った方はもうボドゲ沼から抜けられないところに来てるかもしれません。海外のボードゲームデザイナーの中でも「緑の人」や「鬼才」という二つ名で呼ばれるフリードマン・フリーゼ。奇抜ながらも素通りできないような魅力を放ち続けるフリーゼとは、どんなボドゲを作る人なのか?

今日は誰もが気になってしまうボードゲームデザイナー「フリードマン・フリーゼ」をご紹介したいと思います。

 

フリードマン・フリーゼ(Friedemann Friese)

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画像引用:BoardGameGeek

boardgamegeek.com

フリードマン・フリーゼはドイツ在住のボードゲームデザイナーです。ブレーメンという都市で、2F-Gamesというフリーゼ自身がデザインしたゲームを取り扱う会社を経営しています。2F-Gamesという社名の「2F」は2階という意味ではなくて自分の名前の先頭についている2つの「F」が由来になってるみたいです。

 

フリーゼの持つ「二つ名」、その理由とは?

緑の人という呼び名についてはご本人の写真をひと目見れば判る様に、緑色がお好きな様で髪の毛やファッション、自分の手がけたボードゲームのアートワークにいたるまで緑色を入れていることがその呼び名の由来となっている様です。

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ファイユームの駒

2F-Gamesで出版するゲーム(過去に他の出版社から出たゲームについてはその限りではないみたい)のカラーにも緑が中心の色として使われています。ボドゲ棚にフリーゼのタイトルを並べていても緑のエリアができるので、遠くからでもよく判るという特徴があります。

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ファストスロースのボックスアート

また、他のデザイナーにはない独特なルールを用いたゲームを手がける事でも有名。カードデッキを解体していく「サンドキャッスル」や、ルールブックが存在しないファストフォワードシリーズ(緑の国のアリスなど)のように、なかなか他のデザイナーではお目にかかれない様な発想でデザインされたゲームが並ぶのもフリーゼ作品の特徴。

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緑の国のアリスにはルールブックが存在しない

遊ぶ人の好き嫌いがはっきり出る代わりに、刺さる人にはたまらないアイディアのゲームを創るところから「鬼才」の異名がついたと思われるのです。独創的かつ前衛ってことなのですよね。

 

気がつけば何故か棚に並んでいたフリーゼの魅力

ボードゲームを遊び始めた当初よりなんとなく目立つ名前だったせいかフリーゼの名を知ってはいたものの、ゲーマーズゲームの中もで人を選ぶと言われるその作風や評判でフリーゼのタイトルは積極的に手を取ることがなかったのです。しかしボドゲを始めて6年が経った今、何故かフリーゼのタイトルは幾度かの棚整理を乗り越え、我が家のボドゲ棚の一角をその特徴的な緑色で彩っているのです。

電力会社:充電完了!(Power Grid)

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フリードマン・フリーゼの名前を一躍有名にした名作「電力会社」。マップに点在する都市に電力を供給するルートをいくつ作り上げることが出来るかを競うゲームです。かのMENSAメンバーがハマっているゲームとしてテレビでも取り上げられ話題にもなりました。日本語版は長らく市場から姿が消えていたのですが15周年のタイミングで「充電完了!」というバージョンが再販されており現在でも入手することが可能です。

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フリーゼのタイトルの中でも群を抜いて評価が高く、2004年の発表ながら2022年現在もBGGのランクで49位を維持する人気タイトル。鬼才と呼ばれるフリーゼの才能がゲーム性を研ぎ澄ます方向に凝縮されたかのようなユーロゲームで、奇を衒った印象はあまり感じないですが「考えるボドゲって楽しいな!」という感覚を十二分に感じられるタイトルなのです。中量級のゲームを楽しめる人ならば、重ゲーへの入り口としてもちょうど良いくらいのプレイ感かなと思います。「今日は頭を使いたい!」という日にはおすすめですぜ。

ファイユーム(Faiyum)

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2020年リリースのファイユームは比較的新しいタイトルで先日日本語版も発売された中量級のゲームです。ファラオの命を受け、ワニだらけのファイユームを開発し肥沃な大地へと生まれ変わらせると言うテーマにロマンを感じずにはいられません。実際の盤上も緑のワニコマで埋め尽くされています。メカニクスとしてはデッキ&ネットワークビルディングなのですが、デッキの作り方とプレイ順に意識を向けていないと上手くゲームが進まないあたりにフリーゼっぽい捻りを感じるゲーム。

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ドラフトでカードをピックしていくのでカードの選択も重要。ピック&プレイ、他のプレイヤーのルートを見極めるなど、インタラクションもしっかり感じられます。そしてなんとソロプレイにも対応しているため、おひとりさまでもフリーゼの中量級をしっかり堪能できるのも大きな魅力なのです。

ファストスロース(Fast Sloth)

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ナマケモノになりたい。と思った事がある方はきっと世の中に多いはず。そんな自堕落な夢を体現したかのようなルールが楽しいファストスロース。マップに点在する餌の木の葉を集めなければならないのに、自分では一歩も動きたくない動く事が出来ないためにさまざまな動物に運んでもらわなければならないというゲームです。配達役の動物たちを手札を使ってプレイしながら動かし、ナマケモノを各地に配達するピックアップ&デリバー形式の中量級ゲームです。2021年にボドゲ専門店のサニーバードから日本語版が発売されましたが、限定で販売された木コマの可愛さも話題になりました。

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カードの数字分だけマップを移動する動物たちにはそれぞれ異なる能力があり、これらの動物たちを上手く使いながらいち早く餌を集めたプレイヤーが優秀なナマケモノとなるのです。怠けて生きる事にも相応の知恵が必要ということを何故だか実感させてくれますが、ルールは比較的簡単で小学校高学年くらいのお子さんでも楽しく遊べるのも魅力的。現在は品薄で入手困難となっている動物コマですが、再生産の予定もあるようなので楽しみに待っておきましょう。(残念ながら延期中...)

ファストスロース専用プリンティング駒の発売時期延期のお知らせ | 様々なボードゲームを遊べるカフェと、ゲームの販売をしている「SUNNY BIRD」です

緑の国のアリス(Fast Forward: FLEE)

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ソロで遊んでいて心が折れるゲームというのはいくつか思い浮かびますが、この緑の国のアリスもその筆頭に上がってくるゲームなのです。ルールブックがないファストフォワードシリーズの中の1タイトルで、一応レガシー系の位置付けになるゲームです。でも1年も棚に置いておけば、また繰り返し遊べる(悩める)と思う。非常にシビアなプレイを要求されるゲームなのですがルールは至って簡単で、怪物に捕まったら負けという鬼ごっこなのですよ。

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可愛らしいイラスト、箱を開けるだけで遊び始められる手軽さなどおすすめ要素は多分にありますがクリアを目指すならば参加者たちの意思疎通レベル、捕まっても折れない強い心などを要求してくるゲームです。やってることは結構単純がゆえに、上手くいかないとポキポキ折れちゃうマイハート。固定されたカードの並びがこのゲームのキモなのですが、どうやったら人はこれを思いつくというのか....フリーゼ様は鬼才、ということを実感したゲームでもありました。心折れましたけど、好きなボドゲです。

ロビンソン漂流記(Friday)

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ソロでのボドゲが苦痛ではないならば、是非一度ロビンソン漂流記を遊んでみて欲しい。このちょっと抜けた感じのロビンソンの表情に、さぞかし心が騒つくこと間違いないのです。まずイラッとすること間違い無いんですがあら不思議。ゲームも終盤になってくるとこのロビンソンに愛着すら感じる様になってるミラクル。人喰い人種もいるし虎も潜む密林、さまざまな困難を乗り越えるパートナーとして非常に心許ないロビンソンと共に生き抜く無人島での生活。

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ぼっちのホビーBlogを書き始めた本当に最初の頃、このロビンソン漂流期がフリードマン・フリーゼのタイトルだと全く知らない状態で遊んだロビンソン。それから数年が経ちフリーゼに対して興味を持った折、過去のタイトルをつらつらみていた時にロビンソンがそこに居た時の衝撃るたるやありませんでした。難易度設定もあり、このちょっとユルいイラストが嫌いでなければ一度は遊んでみて欲しいソロ専用のボードゲーム。「イラついていたはずの相手をなぜか好きになっている」という不思議な感覚を味わえるゲームです。

 

フリードマン・フリーゼの魅力をズバリ

自分が遊んだフリーゼのタイトルを振り返ってみて改めて思う魅力。なんだろなー。。。っていうのが正直な感想です。ただゲームごとに感じるところが異なるので、こういうところが好き!というのがズバリ言えないのがまさにフリーゼ作品の魅力の様な気もします。予測不能というか、何か自分に刺さってくれるかもしれない期待感を感じさせてくれることそのもの。それはつまりゲーム単体としてではなくフリーゼの新作に対する期待が彼の魅力そのものなのかもしれません。

事実、遊んでみて「ん?」となったゲームもあって、ブログでご紹介した中で言うとサンドキャッスルはそんなに自分に刺さらなかったゲームと言えるかもしれません。面白いのだけど他のゲームに比べて「また遊びたいな!」と思う力がそこまででもないといいますか....

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ボードゲームのギークの方のようにメカニクスを掘り下げて分析することは出来ないので刺さらなかった理由をロジカルに言語化するのは難しいのですが、彼のゲームでも心に刺さらないゲームがあるのは確かです。それはもしかするとフリーゼの人としての魅力がダイレクトに出ているからこそなのかもしれませんし、流行りや廃りなどマーケットのトレンドに迎合せず作りたいものを作っているというクリエイターそのものの姿勢かもしれません。常に新しさを求めるがゆえに滑る、的な感じ。

 

もしフリードマン・フリーゼを遊んだことがない方がいたら、一度は手に取って遊んでみて欲しいデザイナーの1人であることは間違いありません。そのゲームは胸を穿つ様に刺さる事があるかもしれないし、まったく引っかからないで終わってしまう事もあるかもしれません。ただ、未来に出るかもしれない彼の新作は、これまでに誰もみた事がないようなタイトルかもしれないのです。未来への期待を常に感じさせてくれる事そのものが、自分にとってフリードマン・フリーゼというデザイナーの魅力なんでございます。とここまで書いてて思い至ったのは「前衛」であるということ。国内でもインディーズに感じる魅力に近いですわね。まさにインディーズの巨人。しかもグローバル。2F-Gamesも実際もたぶんそうなのでしょうねぇ...でも刺さんない事もあるけどな。

 

もしフリーゼのタイトルが気になったならば、それはその人にとってダイヤの原石のようなゲームかもしれません。ぜひぜひ一度手に取って遊んでみてほしいデザイナーですぞ!

 

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