ぼっちのホビーBlog[ボドゲ版]

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【コラム】ボドゲ偏愛録vol.1:6角形またはヘクス。ヘックスについての控えめな熱情というか戯言。6角形愛を堪能できるボードゲームたちのご紹介。

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ども。コモノだ。

今日は雑文ではあるが、オッさんの主張だ。軽い気持ちで読んでいただきたい戯言記事である。ふざけている部分は多分にある(でも大体本音)ので、あらかじめお断りしておく。

 

さて、みなさま、6角形の魅力についてはご存知だろうか。

少々唐突であるが今日はそう、あの6角形の話なのだ。ゲームにおいての6角形というのはあるときはマップであり、ある時はプレイタイルであり、ある時はエリアの形であったりする。そしてそれは実にゲームという名の遊戯において絶大の相性を発揮する魔法の形なのだ。今日は私がこよなく愛する6角形(ヘックス・ヘクスともいう)が出てくるボードゲーム について、その形が織りなす魅力を全力でまとめてみたいと思う。まぁゲーム性とかそういうのはさておいて、あくまで私が好きな6角形の話なのだ。とりあえず6角形はそんなに..とか、ゲームの話じゃないの?というかたは読み飛ばされたい。

 

また、全国に散らばるヘクスマニアの方また隠れヘックス愛好家の方は6角形の魅力に取り憑かれ、その魅力について日々探求の道を進まれていると信じて疑わない。私はまだまだ6角形の深淵にすら触れる事ができていないビギナーの身ではあるが、どうかお付き合いいただきたい所存である。

 

さぁ6角形の魅力についていまだ触れていない方よ。盤上に世界は限りなく広がっている。

 

ヘックスの魅惑

それではまず6角形とは何か(無関係)をお伝えしたい。6角形はズバリ神秘の形である。なぜかといえば蜂の巣の構造、雪の結晶など自然界には6角形をかたどるいくつもの事象があふれていて、それら1つ1つが工業製品に採用されていたりと不可思議な力を持つ。またオカルティシズムにおいても六芒星など、6角形がその骨格をなす事例は多数ある。人を惹きつける形として古来より愛された形、それが6角形だ。

 

ボードゲームの中の6角形

日頃から6角形についてアンテナを張っていると、ボードゲームの中にも多数6角形の魅力を見つける事ができる。その中の一端ではあるが、いくつかご紹介をしてみよう。

移動エリアが6角形

まず正方形、または四角形である場合、その移動先は前後左右・また上下左右となり全4方向となる。それに対して6角形は左右斜め上・左右・左右斜め下の計6方向に移動できる。つまり四角形に比べて2方向も選択肢が多いのだ。

この点に初めて触れたのは...そう、大戦略のマップであった気がする。中学生の頃だったか初めてこのヘックスエリアに触れた時の感動といったらなかった。

戦車や戦闘機が斜めに移動できる。なぜこんなに感動したのか、今となってはその理由は思い出すことが出来ないがあれから数十年経った今でも6角形のエリアをみると心が躍る気持ちになるのだ。

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まだヘックスエリアでのゲームプレイを未体験の方には是非体験してもらいたい。その自由度の高さ。そして緻密に組み上げられたマップの重厚感。その盤上でプレイする方にとっての自由度はそう、現実世界の制約から解き放たれたひと時の自由を提供してくれる魔法の形。それがヘックスエリアである。

獲得エリアが6角形

ゲームによっては移動エリアだけではなく、そのエリア自体を奪い合う事(エリアマジョリティ)もある。その場合も4角形より6角形が悩ましさが増して美しいゲームとなろう。4方向が接するエリアで構築されたエリアでマジョリティを争うより、6方向で接するエリアで争う思考はより複雑さを増しゲーム性を増してくれる。

無論ゲームデザイン的には難度もあがり、デザイナーの実力が如実に現れるだろうがそこはプレイヤーである私たちが心配するところではない。気に入らなければ遊ばなければ良いのだ。

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まずはゲーム性の出来不出来より6つの辺が織りなす美しい盤上を堪能してほしい。四角の無味乾燥なエリアではなく、時に斜めに突出して出来上がる事もあるヘックスの織りなす魅力。

やはり人は不整合なるもの、調和のとれていないものに魅力を感じ虜になる傾向があるのだ。ゲームの中に現れる偶然か必然か、とにかくその形の持つ美しさも6角形が成せる技である。

タイルが6角形

無論タイルそのものの形が6角形である場合もある種の快楽がある。どうか手に持ってみてほしい。自然に触れる6角形の角の感触。たなごころで遊ばせる時に触れるその6角形の角の感触は、4角形のタイルにはない魅力だ。

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円形ではない、直線が構成するその角度と角の感触は、90度などという味気のない角度で曲がる4角タイルの触れ心地とは一線を画す魅力に溢れている。

指先で弄ぶもよし、手のひらで少し触れる角の感触を確かめるもよし。触ってよし、置いてよし、愛でてよしとまるで近江商人の三方良しの如く、プレイヤーの心に響くものがある。

プレイエリアが6角形

まぁ、これはこれまでのように誰しもが納得していただけるような魅力ではないかもしれない。奇特な意見であることは認めよう。しかしである。やはり6角形の魅力の1つであることは変わりないわけで触れずにはいられまい。

プレイエリアが6角形といったが椅子や机の事ではない。卓上に配置されたプレイエリアが6角形であれば良いのだ。実際こういったプレイエリアをもつゲームに触れたのはつい最近で、あらためてその6角形の魅力について考え直させられた。やはり素晴らしい。

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例えば「シカゴポーカー」のこのボードを見ていただきたい。6角形である。

各プレイヤーはこの6角形の各辺に己がカードをプレイしていく。その様は放射状に伸びていく花弁の如く卓上を飾っていく。これが4角であったらどうだろう。このような美しさを演出することは4角には無理ではあるまいか。

美しさと共にあり、またそれを速やかに再現できる形。それが6角形の実力であった。 4角形では役不足というものである。

 

他の多角形との違い

4角形を比較対象に上げているが、6角形の優れた魅力は他の多角形を圧倒する。まず8角形(オクタゴン)と比較してみよう。8角形にもなると角と角の感覚が狭く、指先に触れた時のせわしなさといったらない。あの直線と角の絶妙な距離感や、指先に持ちプレイする際の手の中での安定感は8角形には無い。むしろ8角形にするのであれば円形で良いのだ。円形はまた6角形にない優しさがある。

では3角形はどうか。形にしてみれば6角形よりも辺の角度が小さくより鋭利だ。物理的な造形にしても、エリアなどの移動先にしても、3角形の作り出すものはより幾何学的で圧迫感のある形となりやすい。ゲームとは人が遊ぶものである。情緒や感情など論理的では無いものもゲームプレイには影響があるのだ。そんな鋭利で圧迫感のある世界では、人は自由になれないであろう。

以上の理由から、6角形は多角形の中でもひときわその魅力を放ち続ける。続いてアイキャッチでも用いたそれぞれのゲームの魅力について簡単ながらまとめてみたい。

 

ヘブン&エール

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タイルの形、材質のクオリティが高く、6角形を愛でる上で上質な体験を提供してくれるゲームがヘブン&エールだ。最近アークライトから日本語版も発売された。

ヘブン&エール 完全日本語版

ヘブン&エール 完全日本語版

 

このゲームの最大の魅力はタイルの形だけではなく、タイルを配置するボードに描かれたエリアの大きさにある。

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タイルを配置した際にできる周囲の余白とタイルのバランスが絶妙で隣接したエリアとの間隔が際立って美しく、6角形タイルの存在感を一段増してくれる。ところどころに配置された円形の修道士タイルがエリア全体のアクセントとなり、プレイ時の視覚に華を添えるのもポイント。

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ボードに配置されたタイルの対比が絶妙なバランスをもち、非常に美しい盤面を形成するところは必見だ。6角形好きにとってはとにかくその盤上の満足感は大きいものとなろう。実際のゲームについて興味を持った方は開封レビューをぜひ見ていただきたい。

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クランズ・オブ・カレドニア

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この自然の平原と見間違うようなマップを舞台にしたワーカープレイスメント。こちらもテンデイズゲームズ から日本語版が発売されている。 

6角形をつなげたマップタイルは無限の広がりを感じさせるものであり、ヘックス好きの心を存分に満たしてくれること間違いなし。

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6角形で区切られたエリアを舞台にしたクランズ・オブ・カレドニアは、他のワーカープレイスメントとはまた一線を画すプレイ感を味わうことができる。エリアの間を流れる河川の様は、あたかも自然の景色をそのまま写し取ったかのようである。ゲームのテーマ性をより高みに引き上げているのも6角形の効果と言えよう。

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モジュラーボードの端に現れる6角形の半周が織りなすジグザクな面がより立体感を醸し出し、あたかもボードの外までスコットランドの土地が広がっているかのような空間を創り出している。方形のプレイボードは内に向かう箱庭感が強いが、このヘックス型のモジュラーボードは卓上にとどまらない広がりを演出する効果として抜群だ。 

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パンドリア

コアなファンを擁するIrongamesからリリースされているパンドリアは、6角形を2つ繋げた形のタイルを使用してプレイする。

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この6角形が繋がったドロップ型のタイルは、ゲームにおける6角形が単独ではなくともその魅力には変化がないことを証明してくれたのだ。

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あたかも増殖する生命のような錯覚すら覚えるタイルたち。リソースを生み、勝利点をもたらす。それを奪い合うゲームの複雑さはこの2連の6角形から産み出されるのだ。ゲームには正6角形のタイルも含まれる。単独の6角形が合わさる事で盤上にリズム感を感じるのもパンドリアの魅力だ。

またタイルの角は絶妙なカーブを描いており、手に触れた際の感触は絶妙というほかない。ヘブン&エールなどのタイルとはまた違った魅力を放つタイルといえよう。

tendaysgames.shop

残念ながら現在国内発売元のテンデイズゲームズでは在庫切れのようだ。6角形ファンのためにも在庫復活を願う。


 

シカゴポーカー

プレイエリアが6角形で、卓上が華やかになっていく。それがシカゴポーカーに潜む6角形の魅力だ。

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いかがだろう。シンメトリーに広がらなくとも、中央に置かれた6角形のタイルのおかげで何ともいえない魅力をはなつ卓上となる。

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たとえ4人プレイであったとしても、6角形を中央に卓を囲む事になるため視覚的な情報の公正性を高める。正位置に位置するプレイヤーのみが視認性良好というハンデを解消できるのだ。またシカゴポーカーではブラフがゲームの中で重要になるが、6角形を前にする事で他のプレイヤーの意識を分散させる効果もあろう。

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4方向より6方向である事の意味は、プレイヤーの集中力をほどよく振り分けてくれる。

 

ルーンバウンド第3版

ルーンバウンドでの「移動する方向」というゲームの中での重要な選択肢について、6角形のもつ役割は大きい。6角形がエリアを構成する事で生まれる躍動感は、ゲームに深みのあるダイナミズムをもたらす。

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例えば仲間の元に急行したい場合でも、その6角形の形は容易にそれを許しはしない。ジグザグに進む時のもどかしさは、現実の焦る気持ちをよく再現させてくれる。またマップ状に配置されるアイテムやイベントも、プレイヤーを都度誘惑する。

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縦横ではない斜めという微妙な位置に置かれたそれらは、プレイヤーから正常な思考を引き剥がす事にしばしば成功するのだ。冒険心という名の誘惑を引き起こすそれらは、最適解を求めるプレイヤーたちにゲーム中ずっと一石を投じ続ける。

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運悪く誘惑に駆られた先で敵と遭遇するなど、イベント発生の効果にプレイヤーの思考(例えば後悔など)を生む。その結果、プレイヤーはよりドラマチックな体験を受け取る事になる。冒険という題材において6角形の果たす役割というのは限りなく大きい。

ルーンバウンド第3版 完全日本語版

ルーンバウンド第3版 完全日本語版

 

 

 

〈まとめ〉

いかがだろう。みなさんに6角形の魅力について少しはお伝えできただろうか。かように駄文を書き上げられるほど、6角形に対して個人的には愛着を持っている。

コンポーネントに6角形が含まれていると、それだけで少しテンションがあがるのだ。殊にマップボードに6角形が含まれているボードゲームは個人的に満足感が大きい。

今回ご紹介した以外にもヘクス系のマップを採用した名作は他にいくつも存在する。願わくば皆さんが手に取ったボードゲームに6角形が含まれていた場合、その形の織りなす魅力について是非堪能していただきたい。

その他6角形が魅力的なゲームたち 

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【補足】

なお、記事内ではあえて4角形との対比を用いているが、実はそこまで4角形を嫌っているわけでは無いことはお断りしておく。ただ比べてしまった場合は圧倒的に6角形が好きなだけである。

 

 

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