ぼっちのホビーBlog[ボドゲ版]

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パックス・パミール第二版【ボドゲ紹介】|アフガニスタンの動乱期( ゚-゚)? 遠目で悶々していたタイトルは手にしてみたらシックで大人な香り漂うボドゲ。これが知謀をめぐらすということか。

ども。コモノです。

 

今日はパックス・パミール第二版のご紹介です。ちょいと前にテンデイズゲームズから日本語版が発売されていたコチラのタイトル、少しお値段が高めだったのと見た目が地味に映ったコンポーネントで、どうにも購入までに踏ん切りがつかなかったボドゲです。でも先日のテンデイズゲームズセールでメタルコイン単体が販売されていたのを見てフラッとポチってしまったがゆえに、本体もつい出来心で入手してしまいました。

BGGランキングでは常に100位以内をキープしている本作。好き嫌いはあれども数あるボドゲの中で評価が高いタイトルであることは間違いありません。気にならないかと言われるともちろんそんな事ない、でも勢いポチッとするかと言われるとフレーバーが知識が全くないアフガニスタンの歴史モノ。うーん....誰かにもうひと推し背中を押してもらいたいような踏ん切りのつかなさ。でも面白そうではあるんだけど....と、それはもう見かけるたびに悶々としていました。そんな期待と不安の混じっていたパックス・パミール第二版、ルール確認のつもりのお試しプレイですっかり浮かれてしまったというていたらくですので、超ざっくりではありますがご紹介したいと思います!

 

 

パックス・パミール第二版

プレイ人数:1〜5人

対象年齢 :13歳以上

プレイ時間:45〜120分

国内発行元:【ゲームプレビュー】パックス・パミール:第2版 | テンデイズゲームズブログ

 

パックス・パミール | 中古・新品通販の駿河屋

 

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パックス・パミール第二版ってどんなゲーム?

パックス・パミールは19世紀のアフガニスタンが舞台。グレート・ゲームと呼ばれた動乱期において、アフガン各地での覇権を争うエリアマジョリティ&タブロービルドのボードゲームです。エリアマジョリティもタブロービルドも大好きだけども肝心の中東地域の近代史については全くの無学、説明を読んでもイメージがわかなかったというのが正直なところでした。しかしその点も一緒に掘り下げて遊ぶ事できっとパックス・パミールの魅力は上がりそうです。

カブールやカンダハル、ペルシアなどのお馴染みの名前も出てくるグレート・ゲームの時代、アフガニスタンは先代の王朝が滅び混乱期にあったようです。当時はアフガニスタンの民族だけでなくイギリス、ロシアなどの列強国もこの地での影響力を増そうと働きかけており、プレイヤーはそれらの勢力のいずれかと同盟を組むことで各地での影響力を増そうと画策します。

自勢力の宮廷と呼ばれるタブローに並ぶ人物たちの能力は様々。移動や資金集めの技能だけでなく、同盟への影響力を維持するための能力、移動や軍の派遣など他勢力に干渉する能力など、人物たちをいかに招聘し、目的に適ったタブローを柔軟に作成できるかが有利にゲームを進めるためのキーになります。

基本的にはエリアマジョリティなのですがプレイヤーは直接的にはエリアを支配せず、常に自分の所属している同盟の力を借りながら優位性を示していくというルールも面白い部分。ゲーム中に同盟を鞍替えしたり、同盟内での自らの優位を示すため他プレイヤーの人物を密偵により排除したりされたりと、かなりアグレッシブにタブローが変化します。タイミングを見て自ら同盟を切り替え、盤面の戦況をガラッと変えるような戦略も可能で、まさに落ち着く事なく進む動乱の時代が広がるのです。

自ら選択するしないにかかわらずタブロー(宮廷)に並ぶ人物は頻繁に入れ替わる事になるかもしれません。常に現在の宮廷、数手先の地政をも読み抜き、どのカードを手に入れて準備をすべきなのか静かに狡猾に考えを巡らせることになります。タブローを大事にしすぎると動乱の時代には適応できず、自身の影響を維持することも難しくなります。裏切り、人質など周囲をあえて巻き込む行動にためらいを感じていたら自らが没落するだけかもしれません。こういった忙しなさ、容赦なさが根底にあるためか彼の地で起きたであろう動乱期をパックス・パミールはとてもうまく表現しているように感じました。時代的背景とメカニクスがマッチしてるこの感じってなんか凄い。

常に漂うシビアさの中で状況への適応力を求められ、他勢力への干渉や同盟の力すら利用し成り上がろうとするしたたかな戦略構築、それがパックス・パミールの魅力ではないかと思うのですが、まだプレイが1〜2回くらいの今だと魅力の戸口にちょいと触れたくらいかなという印象です。全く上手くプレイできる気がしないよ( ̄ー ̄)...

でもね、なんというか楽しいのです。自分のアクションが理にかなっているような感覚(錯覚)になるのが不思議でとても奥深さを感じます。そう、これはアレだ。スルメ系ボドゲなんだな。

 

パックス・パミールのコンポーネント

ずっと思ってた通り、最近のボドゲコンポーネントに慣れてしまうとちょっと地味な印象を受けるのは事実。ただ実際にテーブルに広げたり細部のデザインを眺めていると少し印象が変わりました。

アフガニスタン・イギリス・ロシアを表すクレイタイルの造形の細かさや細部へのデザインのこだわりなど、派手さはないものの非常に丁寧に作られているのがわかります。イギリスのタイルには獅子が描かれ、アフガンには鷲です。各国の象徴となるデザインにこだわっているところや手に持った際の質感など、かなりこだわった作りになっているのですよねー。これはちょっと触ってみないとわからない部分。

布製のマップ、木製の勢力タイルなども思ってた以上に満足感が高い仕上がり。コンポーネントからの情報はカードに集約されているので、そういった整理がされているのも良いです。

 

パックス・パミールのルール・遊び方

実は準備も手番のルールも割とシンプル。ただしアクションの種類がとても多いことと、状況に応じたタブロー処理や勢力判定などがあるため、それらを把握するのがとても大切になるゲーム。そしてそれは中々頭に入ってこない.....ルールをしっかり把握したり、カードのアイコンや意味を理解できてからがやはり本番だよね。

ゲームの準備

ヘビーウェイトのゲームなんですが、重量級としてはかなりシンプルな準備工程。プレイ人数によって登場するカード枚数が異なるので、山札の作り方は間違えないようにルールブックを参照しましょう。

手番の流れ

手番のアクションでは基本的に2回のアクションのみです。アクションには基本アクション、カードアクションがあり、宮廷に並ぶカードから追加でボーナスアクションを行うことが出来ます。ただしボーナスには条件があるので注意ですな。基本アクションはカードの購入、またはプレイ、そしてカードアクションから1つをプレイの3種類から2回選んで行う事になります。

カード購入で1カウント、カードのプレイで1カウント、カード能力のアクションで1カウントなど、カウントもの仕方もわかりやすいのですが、基本の2アクションにカード能力のアクションが含まれるという点が注意です。ここはちょっとルールブック読んでても解りづらかったなと思うとこ。

その他にも細かな処理が多いので最初のうちは処理忘れがあったり戸惑ったりしますが、どの処理もなぜだか現実にありそうなことばかりなので何度か触れれば違和感なく理解できるような気もします。なのでルールブックは大切に、しっかり読みながら遊ぶのが良いでしょう。。。(まだ頭に入ってない)

 

ソロプレイはできる?

パックス・パミールはソロプレイもかなり評判が良いゲームです。第二版ではオートマカードを使ったプレイが可能。

いまだに基本ルールのおさらい中なのでソロではがっつり遊べていませんが、ワハーン強そう。そしてカードデザインがめちゃくちゃ良い。

 

パックス・パミール第二版の感想・まとめ

何度か通して遊んではみたのですが、まだルール抜けがあったり処理がもたついたりします。ただ繰り返しプレイするたびに全ての行動がしっくり繋がるといいますか「あぁそういうこと、ここで裏切るよね、そうよね。」みたいな納得感が増す。というちょっと不思議な感覚が味わえるボドゲです。これがとても気持ち良いのよね。

エリアマジョリティなのに部族コマの置ける数が少なかったりして不安だったりするんですが、いつの間にか気がついたらマップが同盟コマで埋め尽くされるところとか、地域ごと部族の勢力の力よりも列強の力に翻弄されてる感じとか、あぁそういうのも含めて当時のリアルなのかなぁ...と思ってみたりするんですのよ。アフガニスタンという国家の成り立ちももう少ししっかり知りたくなる訳です。

お気軽に同盟を裏切りることが出来る点や、他のプレイヤーの宮廷にも積極的に干渉していくプレイなど、当時の世相をルール上もよく表しているような印象を受けます。ただボドゲで直接干渉を嫌うプレイヤーはおそらくダメなポイントでもありそうです。

きっと当時のアフガニスタンの政情は常に不安定であり、列強の力を借りながらも地域での影響度を示していかなければならなかったろうと思うのですが、それは非常に僅差でしかなく、常に危うさと隣り合わせだったことを感じさせてくれるのです。

デンデイズゲームズのブログでも触れられていましたがこの非常にデリケートなテーマに対して作者は真摯に取り組み、形にしているように思います。ROOTやOathのデザイナーであるコール・ウェーレが手がけたパックス・パミール第2版がなぜこんなに評価されているのか、この辺りにも秘密があるんではなかろうかね?こんなに面白いならもっと早くに手に取っておけば良かったな!というのが正直な感想。

 

詳しいメカニクス評価とかはさておき(そもそも出来ないしな)アフガニスタンの動乱期の危うさのなか、他勢力より少しでも優位に!とひたすら考えを巡らせる頭脳派のパックス・パミール第二版にはドラマが生まれそうな要素がそこかしこにあります。

プレイヤー同士の干渉がそのままゲームのテーマのようなものなので好き嫌いははっきりしそうなタイトルですが、個人的には好きだなー!飾り気がないと思っていたコンポーネントも、手に触れてみればシックで上品に感じてしまったのはなぜなのか。ソロでじっくり考え込みながら遊ぶのもオススメだと思うぞー。

 

でもね、自分がボドゲ上手くはないってことは、実感したよ....(´;ω;`)ブワッ

 

 

【パックス・パミール第二版 販売情報】

新品は現在どこも売り切れ。ネットなら中古、または店頭で見かけたらゲット。

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