ぼっちのホビーBlog[ボドゲ版]

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Mai 1968【ボドゲ紹介】|あの頃のパリ、5月。権威への反抗は民主化へのロマンと誤解。退屈が生んだカウンターカルチャーのワンピースがチャック袋に詰められた令和。

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ども。コモノです。

 

ゲムマで買ったぜ!タイトルのご紹介をぼちぼちと始めようと最初手に取ったのは「Mai 1968」でございます。そう、戸塚中央&TakeWatchのコンビが送るチャック袋のストイックなマルチゲームです。

なんとフレーバーはあの5月革命なんですね。。。当時の熱気はリアルにわかりませんけどもズバリ自分の親世代の出来事なので、子供の頃に確かにあんな感じの空気感に包まれた大人がそこかしこにいた記憶があるんでございますよ。そのせいかなんとなくこの手の話題を人ごとには思えないお年頃。安田講堂とかの事を泣きながら授業で話してる先生が小学校だか中学だかに居たよなぁ....(マジで居たんだよ?)

そんな極端な世代に育てられた氷河期世代第一期のアタシ、いろいろな思いが脳裏によぎりつつも今日は「Mai 1968」ご紹介しちゃいますよん!

※環境的にルール確認のみでの感想になっちゃうのですみませぬ。

 

 

Mai 1968

プレイ人数:3人

対象年齢 :8歳以上

プレイ時間:20分

国内発行元:Totsuca Watch Games

gamemarket.jp

 

Mai 1968ってどんなゲーム?

いわゆる3すくみの状態で、各陣営の目標とする勝利点をいち早く獲得するか競うゲーム。相手のコマを盤上から除外していくことが勝利点へつながるバッチバチのマルチゲームなのです。フレーバーとなっているのは「Mai 68」や5月革命、5月危機などと呼ばれている1968年のパリ大学で起きた学生主導の民主化運動。いわゆる反権力、反権威意識の高まりが生んだパリ市内での扇動と民主化デモ、それらの鎮圧がゲームで表現されています。

ゲームには3つの勢力が登場します。学生・機動隊・労働者という各陣営それぞれをプレイヤーが担当し、自勢力が目標とする勝利点をいち早く獲得することを目指します。

学生(赤)は労働者(黄)を扇動し、労働者(黄)は機動隊(青)と激しくぶつかり、機動隊(青)はデモの主体である学生(赤)を確保します。常に攻撃対象は1勢力のみ、自分を攻撃してくる勢力に対して反撃する術がないという縛りの中で勝利点をもぎ取っていくマルチゲーム。殴られても殴り返せないもどかしさの中で非常に悩ましいことになるゲームでした。

衝突が必ず事態の収束に向かうルール

敵対する陣営のコマを確保することが勝利点に影響するので、盤上では積極的に殴りにいくというルールです。しかも各陣営のアクションには微細な違いが存在しているため、ただ殴りにいくような単純行動でこの闘争に勝利することはできません。

労働者が機動隊を襲撃し、学生を解放する事もあったりします

各陣営の衝突の結果は必ず勝利への道につながります。敵コマの確保は盤上でのマジョリティに影響するだけではなく、自陣営の目標点を下げたり勝利点そのものになります。

陣営によって異なるこの条件設定は、陣営ごとに異なるアクションルールと相まってただのマジョリティ争いではないゲームを生み出すのですな。しかし、尖ってんなぁ...

 

Mai 1968のコンポーネント

なんとMai 1968はチャック袋に入って供されているゲームです。お値段もゲムマ会場価格の1000円ポッキリです。ボドゲ好きのお兄さん、やられちゃう価格でした。

メインボードになるシートと各陣営のサマリーシート3枚、あとは陣営ごとの木コマが入っています。木のコマ結構たくさん入ってるんだけどお値段ほんとにアレで良いのだろうか。。。このインディーズ感がビシビシ感じるコンポーネントはむしろこの削り出した直後感あふれるこのゲームにマッチしてますな!

 

Mai 1968のルール・遊び方

ルールも非常にわかりやすく、自分の担当する陣営だけ覚えれば良いのでサクサク遊べると思います。

ゲームの準備

木コマをルールブックに従って配置します。あとは色別にコマを配って準備完了です。めちゃくちゃサクッとゲームが始められます。

手番の流れ

手番を行う順番は決まっています。以下の順番をループしながら繰り返します。

  1. 労働者(黄)
  2. 機動隊(青)
  3. 学生(赤)
  4. 労働者(黄)の手番へ戻る

アクション時の注意

3すくみのマルチゲームとあるように各陣営は攻撃できる相手が決まっています。

  • 労働者(黄)▶︎機動隊(青)
  • 機動隊(青)▶︎学生(赤)
  • 学生(赤) ▶︎労働者(黄)

そしてアクションの内容は各陣営で異なります。詳しくはルールブックを読み陣営ごとのサマリーを確認して欲しいのですが、このルールを厳密にした事がMai1968の面白さを決めてるように思います。

 

Mai 1968の感想・まとめ

遊びました!というレビューではないので恐縮です。ただ1人で深夜にコマを動かしていて楽しいなと思ったところがアレコレあったので書いておきたいなと。

マップの配置や広さが絶妙

3すくみの状況に加え、各陣営には行動制限がマップ上でかかります。教会には1コマしか入れないとか、1エリアには最大3コマまでとか、通り抜けられないエリアの指定とかね。教会やセーヌ川などのマップ制限が絶妙で手持ちのストックをどこに配置するかとても悩むことになるんだよね。

世代によって味わいが異なりそうなフレーバー

ゲーム性以外のフレーバー的な魅力も個人的にかなり感じてしまいました。。。それは冒頭に少し書いたように自分の年齢的なものや出身地に少し理由があるかもしれません。学生運動の時代の真っ只中にいた方には熱気や信念、軽侮、不安の入り混じったものがあるでしょうし、僕らのようにその残滓のなかで育った世代は当時の大人から感じた不可思議な感覚を思い出す方もいるかもしれません。今の30代、20代にはまた異なった感覚があるでしょう。ほーん、、なにそれ?って感じかもしれませんね(笑)

60年代の学生主導の民主化運動は様々なものを生み出したムーブメントです。当時の熱気がすこし落ち着いた頃に自分は生まれ育ったわけなのですが、当時この学生民主化運動に身を投じていたのがちょうど親の世代にあたります。60年代後半の学生運動が世界に広げたムーブは、少なからず幼少期の自分も肌で感じるものがありました。それらの良い悪いを論じるものではないものの当時の人々を大きく動かした事実はあるわけで、その流れに身を投じていただろう人たちのことを考えながらこのMai 1968を遊ぶのはなかなか楽しい時間ではないだろうかと思うのです。

Mai1968では学生(UNEF / 全学連)たちが自身の主張を通さんがため、不満の溜まっていた労働者(CFDT / フランス民主労働総同盟)を扇動し世論を煽りながらバリケードを作り各地を占拠します。「革命的反抗」という今ではちょっと理解し難いような学生たちの暴力的行動に対して単純な力で対抗し排除する機動隊(CRS)という存在は政治権力の象徴でした。労働者(CFDT / フランス民主労働総同盟)たる民衆は権力の支配構造に意を唱え、権力そのものに対して数での優位性を保ちデモを行うのです。それぞれの思惑が入り乱れパリの市街にその3つの勢力が集結し、それぞれの主張を通そうと実力行使を行います。「良い悪い」なんて簡単に答えの出ない縮図を見つめながらコマを動かすMai 1968は懐かしい感情と是非を検討するような思考の時間を与えてくれます。誰が正しく、誰が愚かだったのか、ニヤニヤしながら考えるのも楽しい。そんなふうに遊ぶべきゲームじゃないんだろうけどこの妄想世界を楽しんでしまうのがソロ好きゆえだな....当時の歴史や史実をもう少し調べたり、学生運動とはなんだったのか?について考えてみるもの楽しそう。

 

条件の差を噛み締めながらいかに盤上をうまく立ち回るか悩ましいMai 1968。ゲムマ会場で売り切れちゃった(ラス1を買った人)のでどこかで見かけたら是非遊んでみて欲しいですよ!

 

【Mai 1968 販売情報】

売り切れちゃったてたからね。再販もしあったら追記するよ!

 

 

 

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