ども。コモノです。
今年のお正月(いつよ?)にポチッとしておりましたEngamesの福箱をいそいそと開けているGW明け。だからいつの話だよ?って声が聞こえてきそうだけど、そんなこともあるわよ...(悲しみ)
肝心の福箱には色々入ってたんですが、中でもちょっと遊んでみたいと思ってた「フィレンツェの匠」を今日はご紹介しよかとおもいます!2000年に初版がリリースされたこのタイトル、約四半世紀を経てもリメイクされたりするのって凄くないかい?韓国語版が2022年にリリースされたタイミングでアートワークも刷新、そしてこれまでの拡張要素がマルっと入ったパッケージで日本語版が出ました。古典的名作と言われるフィレンツェの匠、いつか遊んでみたいと楽しみにしてたので、期待感を込めてご紹介しますよ!
フィレンツェの匠 日本語版
プレイ人数:1〜5人
対象年齢 :12歳以上
プレイ時間:90〜150分
国内発行元:ゲーム紹介:フィレンツェの匠|Engames
Boardgamegeek
フィレンツェの匠ってどんなゲーム?
中世ルネサンス期の貴族の1人となり、メディチ家のような富と名声に満たされた名家となるべく専門家や芸術家を庇護して作品を世に出していくボドゲです。テーマは当時の貴族の嗜みだったパトロネージュ。
いっちょまえの貴族なら若き才能を見抜く審美眼があるべきですし、芸術文化に貢献してこその貴族。そんな時代の貴族の1人となってより多くの名声を集めるために専門家や芸術家の理想のパトロンとなることを目指します。しかしながらゲームの中では「若き才能あるものは超ワガママである」という世の真理を突きつけられる事になります。
古典という揺るぎない評価
手番で行うことはシンプルなのに、とても考えさせられるボドゲは長く愛されます。そしてダウンタイムとか知らん!くらいに考えさせらるフィレンツェの匠。オークションシステムとアクションの絡み合いをしっかり頭に入れ、どのように作品の価値を高めていくのか計画的な投資が必要です。
お抱えの芸術家たちは「良き物語を生み出すには小鳥の囀る森の小道が必要だ」と言ったり、「歌声を美しく響かせるためには歌劇場がないとインスピレーションが...」とか言ってきたりするわけです。そういった彼らの言葉を信じていそいそと自国内に森を作り、建物を建て、教会の庇護を受け特権を行使したりしながら作品を世に発表します。なんなら賑やかしの道化を雇い入れたりしながら高い価値を示す事、それを7ラウンドに渡って行うのがこのフィレンツェの匠なのです。
フィレンツェの匠のルール・遊び方
BGGのウェイトは「3.24」となってますので区分としては重量級になるかなと。勝手に中量級くらいかしら?と思い込んでたのでルールブック読んだら結構ぎっしりあって少しビビりました。ただ重量級とはいうものの、ルールそのものがややこしい?というとそうでもない印象。マルチでプレイするなら特権タイルの取り合いなど、インタラクションも結構あるので割とガチな展開になりますよ。
ゲームの準備
基本的なセットアップはタイルをボードに配置して専門家カードを配るだけでございます。拡張なしでの手順は以下の通り。
1)ゲームボードの準備
・オークションエリア(ボード左側エリア)
景観タイル、勧誘カード(黄)、名声カード(緑)をボード各エリアに配置する。
・アクションエリア(ボード右側エリア)
建物タイル、特権タイル、専門家カード、ボーナスカードを各エリアに配置する
【注】:特権タイルはプレイ人数-1&2人プレイ時はさらにランダムで1枚除外
2)プレイヤーの準備
・公国ボードを1枚受け取り、A/B面いずれかを表にして置く
(どちらの面でプレイするかは予め全員で決めて置く)
・公爵ボードを受け取る(自分の色が決まるだけ)
・専門家カードを4枚づつ受け取り、内1枚を捨札にする。捨札となったカードを集め残りの専門家カードの山とあわせてシャッフルし、ボードに山札として配置する
・自分の色のコマと名声点マーカー、衝立を受け取る
・名声点マーカーをトラックの「0」に配置する。
・初期費用3000フロリンを銀行(サプライ)から受け取る
※(2人時:2500フロリン)
特権タイルは人数によって変化があること、プレイ人数によって若干の変更が入るので詳しくはルールブックを参照して準備しましょう。
手番の流れ
手番は大きく2つのフェイズに分かれておりまする。
1)オークションフェイズ
ボード左側の庭園タイルやカード類、建築家や道化師タイルに入札するよ。初期入札額は200フロリン固定で、レイズは100フロリンづつ。
- スタートプレイヤーが最初に入札する
- 時計回りで順番に上乗せ(レイズ)かパスかを選択していく
- 落札したプレイヤーは以降のオークションに参加不可
- 最後に残ったプレイヤーは200フロリンで残りから好きなものを獲得
建築家や道化師という後々に効くタイルを取るのか?それとも専門家の作品制作のための庭園建築を優先するのか、オークションも最初から悩ましい。
2)アクションフェイズ
以下のアクションのうち2つを連続で実行できる。(実行しなくてもOK)
- 作品の公開
ラウンドごとに設定された最低褒賞ポイント以上を自分の環境から生み出すことができれば、手札の専門家たちの作品を公開することができます。
各専門家は自分の活動を行う上で好みの環境を持っているのですが、その環境が自分の公国内に用意できていれば追加の褒賞を得ることができます。ボーナスカード、道化師などから得られる追加褒賞を上手く活用し、そのラウンドで公開された作品で最高ポイントを上げることができれば追加褒賞も得られるよ。
褒賞は同額のフロリンとしてお金として受け取ることもできるし、1ポイント/200フロリンで換算して勝利点にすることも可能。自分の公国から作品を発表した専門家は全員に公開され、他国からの勧誘を受けることも可能になります。この勧誘ってルールがなかなか後々で効いてくるのよね.....
- 建物の建築
700フロリンを支払い、建物タイルを1つ自分の庭園内に配置することができるよ。建物を配置する際、建物タイルの辺と辺が重なるのはNGという基本ルールがあるので配置は結構悩ましい。2人目の建築家タイルをオークションで落として所持している場合はこの制約が外れるので注意しましょう。建物を1つ立てると3ポイントの勝利ポイントがもらえるよ。
- 特権タイルの獲得
当時のフィレンツェには貴族に大きな影響を及ぼす勢力があり、それぞれの勢力の庇護を受けることで様々な恩恵を受けることが出来たようです。タイルを獲得すると各専門家が所属する勢力の特権を公国で受ける事ができるようになります。(褒賞ポイントが追加されるよ)
- 専門家カードの獲得
300フロリンを支払って新しい専門家を招くことも出来ますよ。招いた専門家は同じラウンドで作品の公開をすることも可能。
- ボーナスカードの獲得
「◯◯の条件が揃っていれば褒賞に◯ポイント追加」などが書かれているボーナスカードも300フロリンで購入可能です。
ソロプレイはできる?
なんとフィレンツェの匠はソロプレイが可能になっていました。2000年に発表されたボドゲなのにね....これだけ古いボドゲで公式ソロルール付属というのはなかなかありません。ソロはオートマデッキを使用したタイプのルールです。
上部がオークション、下部がアクションの指定になっています。対戦相手のウォルフガングさんは公国内への建物配置の縛りがないなど、ソロプレイあるあるの相手の暴挙と競う事になります。むずい...
フィレンツェの匠の感想・まとめ
もともと「フィレンツェの匠」というタイトルだけは知っていて、なんとなく斜め読みした程度のルールの印象は持っていました。タイル配置して建物立てるのだねー。。くらいの認識です。中世ヨーロッパ、ルネサンス、フィレンツェ、貴族と心をくすぐるフレーバーワードオンパレードなのでいつか遊んでみたい!と思っていた本作。
実際遊んでみた感想としては「思ってたより全然重いじゃーん.....」でした。とはいえゴリっゴリの重量級ではありません。そもそも思い込みでちょい軽いタイル配置、くらいの感覚だったのが間違いでした。
勝利点を得るための投資とタイミングのバランスが難しい
勝利点を得るための手段としての本筋は、芸術家や専門家の作品を公開する事になります。しかしこの作品公開にあたってはラウンドごと設定された最低褒賞ポイントを超える必要があるのです。しかも公開した時点での褒賞ポイントはそのまま点数換算や金額換算される元の数値になるため、可能な限り高いポイントで公開したくなります。
そのために道化師やボーナスカード、専門家や芸術家の望みを叶える庭園整備、特権の獲得などやっておくべき事(やっておきたい事)が結構多いのです。上手く組み合わせることで最低ポイントはクリアできるものの、今じゃないかもしれないと欲をかきつつ、いつ公開するべきか?と微妙なところで悩みます。
オークションもいつ落とすのか?何を落とすのか?は考えたい
オークションシステムは結構シンプルなスタイルなのであんまり駆け引き感が感じにくいんですが、このオークションも侮ると後で痛い目に遭います。ついつい建築家や道化師など目先の利益が大きいタイルに目が行きがちですが、専門家の好む庭園を作れなかった場合は後々の作品公開が苦しくなります。ラウンドが進行すると最低の褒賞ポイントが上がるため「いつ何をどこで?」を考えた入札が求められるのだね....
派手ではないが、奥深い....
「フィレンツェの匠」は派手ではありません。でも「ボードゲームってこういう悩む時間が楽しいんだよ....」という気持ちになります。自国にならぶ建物と、作品を公開した専門家・芸術家の顔ぶれを眺め我が公国の発展にニヤニヤするもよし。お隣のにやけた貴族の手腕にぐぬぬ....となるもよし。
若干手元の公国領の広さが狭く、歪な形をした建物の配置が苦しい、、、とか、気がついたら7ラウンドがあっという間に終わってしまって思うことが出来ん!とかありますけどこの制約が悩ましい。箱庭がもりもり発展していく!という感覚には全くなりませんが当時の貴族たちだって貧乏領地からいかに名声のネタを集めるか苦労したことでしょう。そんな苦しさの中で名声を勝ち取っていくフィレンツェの匠が四半世紀近く前のタイトルだということを思い返せば、ボドゲの面白さの一片がぎゅっと詰まったタイトルであることは間違いありませんな!
そうそう、こういう感じが良いんですよなー。
【フィレンツェの匠 日本語版 販売情報】
旧版もいいぞ
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