ども。コモノです。
世界最高峰の山といえばエベレストです。しかし山岳登山家たちの間で世界最難関と言われる山があります。エベレストより踏破が困難と言われる頂。それがこのボドゲのタイトルになっているK2です。K2はカラコルム山脈にありエベレストに次ぐ世界第2位の8000m級の山です。人里から遠く離れた場所にあるためアプローチが非常に困難な環境であり、人を拒む条件が揃ったK2は未だ冬季の登頂を成し遂げた登山家がいない山としても知られています。
K2はその巓の名を冠するボードゲームですが実は発売は2010年。ソロも可能なボドゲで以前から気にはなっていたものの、発売から時間が経っていたために入手する事ができないでいました。海外から輸入しようかな...と思っていたらテンデイズゲームズよりK2最高峰エディションなるセットの発売情報が!ついにK2が手に入る!しかも最高峰エディションって何よ?
テンションが上がりまくりのK2最高峰エディション、ついに我が家に届いたので今日は開封しながら内容をご紹介したいと思いまっす!
K2 最高峰エディション
プレイ人数:1〜5人
対象年齢 :8歳以上
プレイ時間:60分
- 価格: 7920 円
- 楽天で詳細を見る
Boardgamegeek
K2 最高峰エディションってどんなボードゲーム?
基本となるK2はボードゲームでは珍しい登山がテーマのゲーム。全18ラウンドを通してプレイヤーは世界最難関のK2の頂にアタックするのです。手札をプレイしそのコストを使いながら峰を踏破していくシンプルなメカニクス。
ただし天候に対する対処を怠ると、体力が付いて来ずに命を落とす事もあるというシビアさ。どのルートをどう踏破するか、天候はこの後どうなっていくのかを読みながらプレイをする必要があるのです。
今回の「最高峰エディション」はこれまで発売された拡張「ブロードピーク」「ローツェ」の2種類を同梱。さらにミニ拡張のプロモタイル「雪崩タイル」を含んだ豪華なセット。ブロードピークもローツェも、K2と同じくカラコルム山脈に座す8000m級の峰々。世界の名だたる峰々にアタックできる豪華セットとなってるぞ!うひょー!
最高峰エディションのコンポーネント
さぁ、箱を開けて中を愛でて参りましょう。
劇渋のアートワーク
まずこの箱のカバーイラストが超かっこいいのでありますっっ( ✧Д✧) カッ!!
クライマー渋い。渋すぎるぜ...いかにも難関ルートにアタックしている感。基本のK2のカバーイラストはどこか牧歌的な空気感も漂い、もうあと少しで登頂できるっぽい!みたいな緩んだ顔をしてるのですが声を大にして言いたい。
「オィ、K2を舐めるなっ( ✧Д✧) !」(誰?)
そんな皆様の声を受けたのか(受けてない)最高峰エディションのカバーアートは実にストイックになっております。かっこいい、素晴らしい、これは惚れるやろー。
人類が生きることを許されていない世界。そこに静かに響くクライマーの息遣いが聞こえてくるかのようですな?
どれが拡張です?
こういう全部入り系のボドゲにたまにある「どれが基本でどれが拡張なの問題」はこのK2の最高峰エディションでも起きました。ルールブックは基本ルールとローツェの2冊のみ。ブロードピーク拡張や雪崩の説明はどこ行った???と思ったら、それぞれローツェ拡張のルールブック後半に記載がありました。それを頼りにタイル類の仕分けを試みていくのです。
基本セットのコンポーネント
K2へのアタックを行う基本セットはマップボード1枚にプレイヤーコマ、手札となるカード、天候タイルなどから構成されている。この写真のセットが全ての基本になるので、拡張類と混ぜないでしまっとく事にしました。
ブロードピーク拡張
世界12位ながら8000mを超えるブロードピークにアタックできる拡張。ブロードピークのボードもちゃんと付いてきています。この拡張は基本セットに追加して遊ぶタイプなのですが新しい要素としては「雪道」があります。この雪道を導入した場合、なんとテントを貼る事ができなくなります!ブロードピーク拡張、やべえ。
ローツェ拡張
ローツェは世界第4位の山です。実際の位置もK2とブロードピークはすぐお隣なのですが、ローツェはちょっと離れた位置です。新しい天候タイルとローツェのマップボードが追加されるのですが、ローツェ拡張は天候が脅威ですな。
雪崩タイル(プロモ)
プロモ扱いだった雪崩タイルも付いてきます。通常の天候タイルに入れて遊ぶけど、雪崩とか辛い。
K2のルールと遊び方
なにせ登山初心者(いや登った事なんかないんです...)なので、まずはK2の基本ルールからおさらいしてK2に挑んでみようかと!ルールブックを読むとそこまでルール自体はややこしくなさそう。まずは基本セットでのプレイだな。
ゲームの準備
準備はとても簡単でした。登山なのに簡単です。
- メインボードをテーブルの中央に配置
- プレイヤーボード、カード、木コマの一式を受け取る
- 各プレイヤーのコマを所定の位置に配置
- リスクトークンを裏向きににして一箇所にまとめその内から3枚を表向きにして公開
- 天候タイル(夏・冬のいずれか)を選択
- タイルを重ねて起き、1番上から1枚をすぐ左隣に配置
- 天候タイル左端のエリアに黒いコマを配置
- 各プレイヤーはカードをよくシャッフルし伏せて置く
- 自分のカードデッキから6枚をピックアップし最初の手札とする
メインボードと天候タイルはゲームの難易度を決めるよ。初心者ならば夏を選択するのが良いと書いある。冬季のK2踏破は前人未到。。。燃えるな。
ゲームの勝利条件
18ラウンドを終了して1番得点の高かったプレイヤーが勝利するよ。得点は担当する登山家が到達したエリアによって決まっている。2名の登山家を担当するので、その合計が自分の得点になるよ。
K2(基本セット)のルール
1ラウンドは5フェイズで構成されているよ。
1.カードの選択フェイズ
- 各プレイヤーは手札から3枚選択して自分の前に伏せて置く
- 全員が選択し終わったら一斉に公開する
2.リスクトークンフェイズ
- 各プレイヤーは公開したカードの移動ポイント(緑)を合計する
- 1番高い数字のプレイヤーはリスクトークンを1つ選び手元に配置する
- 減った分のリスクトークンを裏向きのトークンから1枚公開する
3.アクションフェイズ
この中から6枚が手札となりますよ
スタートプレイヤーから順番に公開したカードのポイントを使用してアクションを行うよ。リスクトークンの処理も同時に行うのを忘れずに。
移動
移動カードのポイントを使ってプレイヤーコマを移動
テントの設営
そのエリアの移動コストを支払いテントを設営
高度順応
順応カードのポイントを使用し順応度をあげる
リスクトークンの処理(随時処理)
カードの移動、または順応ポイントを下げる。またはそのラウンドで移動・順応を行った登山家の順応度トラックを下げる
スコアトラックへの記録
新たに到達したエリアへトラック上のコマを移動
4.順応フェイズ
登山家コマのいるエリアに応じて順応度ポイントを増減させるよ。
- 現在到達しているエリアの順応度を参照し、順応度トラックを増減する
- テントが設営されているエリアは順応度をプラス1する
- 現在の天候を確認し、条件に合致する登山家の順応度トラックへ適用
なお、順応度の処理が終わった後、以下の2項目を確認しよう。
- 順応度が7以上になっている登山家のトラックを6まで引き下げる
- 順応度が0になった登山家は、死亡する
登山家が死亡すると、勝利点は1ポイントになってしまうのだ。チャレンジングなスピリットだけでは評価されない。生き残ることこそ山では大事なのだ。
5.最終フェイズ
ラウンドの終了処理を行うよ。
- スタートプレイヤーマーカーを左隣のプレイヤーに渡す
- 天候マーカーを次のスペースに移動する
- 新たに3枚を自分のデッキから引き手札とする
1日が1ラウンドのイメージだ。全18日を通し、K2にアタックするんだぞ。
ソロプレイは?
K2はソロプレイが可能だ。しかもほぼルールに変更点が無いのも嬉しいぞ。さっそくでありますがちょっとソロプレイしてみたんですが....
尊い命、7000mで失われる事となりましたぞ...(||゚Д゚)
K2、やはりお前は私の干渉を突き放すのだな。。しかし、振り返る。次のアタックのために振り返るよ。
キャンプを出て2日がすぎた。2日は6000mあたりからひどい天気だったようだが、これからしばらくは天候は安定しそうだ。
パーティはまだ比較的低いエリアで順応をかねて進んでいる。お互いの体調を確認しつつ6000mから7000mまでは一緒に上がっていく予定だ。
天候は比較的安定している。今のうちに上がれるところまで上がってしまおう。
6000mに差し掛かる辺りで、体調のよかった第2メンバーが先行。天候も予報では向こう数日は晴れ。このまま7000mまで一気に上がる予定だ。
7000m付近までくると一気に攻略の難易度があがる。1つのエリアを踏破するのにコストが半端なくかかるようになった。またエリア移動ごとに高度順応を行わないとあっという間に体調が悪くなり、すぐに動けなくなってしまいそうだ。
天候も不安定になってきた。このエリアでの体調不良は、すなわち死を意味する。慎重さが求められる。第1メンバーは十分な順応を行いながら、徐々に上を目指している。パーティの資源は限りがあるため、第2メンバーの登頂をサポートする側に回らせよう。
7000mを超えてから、完全にペースが落ちてしまった。天候も悪化。アタックのタイミングは慎重に検討しなければならない。
滑落しそうなポイントも体力を奪う1つの要因だ。
第2メンバーのサポートを主にしていたため、第1メンバーの進捗も思わしく無い。後半の天気が崩れるという事が考慮から漏れていた事が痛手だ。
8000m直前で天候が荒れるとあっという間に体が付いていかなくなる。通常の装備では体力が持たないため、この位置でテントを貼り少しでも体力の温存を図る。
すでにアタックに残された時間は3日。順応も万全とは言い難く、さらに天候は最悪。アタックするべきか、断念してこのまま止まるか。しかし最終日は晴れの予報だ。このタイミングで8000mはクリアしたい。
K2の頂は目前。今しかない!(=ↀωↀ=)✧
しかし8000mのラインを超えた途端、突如体に震えが走る。ヤバイ。。。テントまでなんとか引き返すのだ。生きて帰るのだ!生命への執着を強く感じた場合は登頂を断念し、生還することに集中しなければならない。
テントになんとか戻ったが悪天候でいくつかの装備が役に立たなくなっている。しまった。酸素の残量がもうない。朦朧としてきた。順応するためのカードはどうやら尽きてしまっていたようだ。
すまない...キャシー。僕は帰れそうにない。
第2メンバーから登頂を断念するという無線以降、連絡がとれなくなっている。何度呼び出しても応答がない。8000m直前にテントを張っているはずだが、第1メンバーの私はまだ7000mに入ったところだ。
グレッグ...
K2で連絡が途絶えるという事の意味。それは十分理解できている筈なのに、頭がその事実を受け入れられない。
そしてタイムアップ...
この後K2は天候がかなり悪化する。そして備蓄品のストックも切れかかっている。今回のアタックは失敗だ。戻る事が叶わなかったパートナーを迎えに行くこともできない。また、必ず来る。K2の頂に眠るグレッグを迎えに...必ず。
完
泣いてええんやで...
K2 最高峰エディションのまとめ
プレイログをまとめながら書いてたらミニストーリーになりました。最高です。ソロプレイ大満足。深夜2時頃、残り2日でK2頂上へのアタックを試みたメンバーが死亡という劇的なドラマが待っておりました。ドラマチックすぎです。ヤバイなK2。
ぬぁー!ラスト2ラウンドの所で先行していた登山家が、悪天候に見舞われてテント内で凍死...😭😭😭
— コモノックス (@komonox) 2020年12月7日
気を抜くと一瞬で持ってかれる。゚(゚´ω`゚)゚。 pic.twitter.com/gUCBdki84D
くそー、あとちょっとだったんだどな。順応カードの残数をチェックできていなかった事が今回の悲劇を産みました。デッキ管理はとても大事だぬ。死んでしまうとその登山家のポイントはわずか1ポイントになってしまいます。2人とも生還させることはとても大事。ゲーム的にも倫理的にも大事ですね。
ゲームとしては実はそこまでややこしいメカニクスではなく、ハンドマネジメントが中心のプレイです。手札は18枚ワンセット・かつ1ラウンド3枚づつ使用していきます。18枚使い切ると新たにデッキを再作成するので、18ラウンド中各カードを3回づつ使用する事が可能なのです。
その事を念頭におきながら失われていく順応ポイントをうまくコントロールする事が登頂のポイントになるかな?とはいえ、ややこしくは無いけどデッキの管理は難しい。そんな先までカウントできません(笑)
複数人でのプレイではエリアマジョリティも発生するよ。(スペース内にとどまれる人数に制限がある)頂上付近のルートは1つしかないのでアタックは先行しているパーティからという現実にもありそうな縛りが生まれます。追い越しはルールとしてできるけど8000m超えてからの追い越しはかなり狙ってないと無理と思う。K2全体を通してインタラクションは弱めな印象ですが、いざ終盤になってトップピークを狙う時にしっかり絡むというルールはとても好き。最後は絶対譲らん!とかなりますな。コレは熱いじゃないか。。。
ゲームとしてものすごく悩ましくて苦しいかっていうとそこまででも無いですが、中量級としてとってもバランス良い気がします。悩まなくてもK2の中腹7000m手前まではホイホイ上がれるしね。でも得点は伸びないし、ソロのベンチマークでも「ツーリスト」クラス。やはりアルピニスト以上は目指さねばなるまいよ。そこにK2があるのだからな!(ↀωↀ)✧
基本セットでのお試しプレイしかしてませんが、こんなドラマチックなプレイが楽しめたのは久しぶりでございます。K2のソロプレイ楽しいな!1人で脳内映画再生みたいな事になるよ。長野出身なので、ちょっと登山ってのに身近な印象があるからかもしれませんが、実際登らなくてもそういうドラマが好きなら楽しいはず。ブロードピークやローツェ拡張も楽しみだな!
K2最高峰エディション、中量級としてこれはオススメですぞ?
【K2 最高峰エディション販売情報】
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