〈更新〉2021/09/02 ふるりん本舗さんのFAQページへのリンクを追記
ども。コモノです。
「芸術はその美を知り、かつ独占する能力を持った者のものさ」
出典:ギャラリーフェイク:フジタ(第1巻)
あー、ギャラリーフェイク好きでしたなぁ....(違う)
そんな芸術をこよなく愛するアタクシが心待ちにしてた(くせにしっかり積んでた)ボドゲ「ギャラリスト 日本語版」を今日はご紹介いたしますよ。そうです、あの名匠ラセルダのギャラリストです。このゲームを手にすることを夢見てから苦節○年....よもや日本語版で入手できるとは思っていなかったタイトル。
国内ではラセルダムーブが起きていて、あれこれ手に入れられるようになった最近。その中では最後発となったギャラリストですが、このタイトルがリリースされたのは2015年、ちょうどこのブログを開設した頃なのです。当時ソロができるゲームというのは結構少なくて、ワーカープレイスメントの重量級ゲームなのにソロプレイで遊べる!とそんな貴重な選択肢のひとつだった本作。
しかしながら国内ではラセルダ作品が全く流通していなくて、一部のヘビーユーザーの方々が輸入して遊んでいたのをツイッターで見かけるくらいしか情報のないゲームでした。それが今、この手元にある感動といったら....感慨深いものあるのよ。
今日はヘビーゲーマー御用達のラセルダ作品から、ギャラリスト日本語版をご紹介いたします。ただしヘビーゲーマーじゃないので難しい解説は出来ないからねっ(開き直り)ハハッ...( ・∀・)=b
ギャラリスト日本語版(The Gallerist)
プレイ人数:1〜4人
対象年齢 :13歳上
プレイ時間:60〜150分
国内発行元:ふるりん本舗
Boardgamegeek
ギャラリストってどんなゲーム?
タイトルとなっているギャラリストとは、新しい才能を発掘し世に広めることを仕事にしている人を指します。一般的な感じだと画廊のオーナーなどがこの役割を担っている事が多いですが、実際は画廊を持たずに飛び回っているタイプの方もいますのよね。
未知なる才能の発掘と育成、作品の販売、マーケティングなど、ギャラリストと呼ばれる職業の仕事は本当に多岐にわたるのです。本作でプレイヤーは1人のギャラリストとなり、未だ知られていないアーティストを発掘し育てます。ですが二人三脚でビッグになろうぜ!みたいな人情劇ではなく、あくまでビジネスとして資金の最大化を目指すのです現実的な勝負です。アートビジネスの根幹にあるアーティストマネジメントを体感できるボドゲなのですよ。
複雑で悩ましいワーカープレイスメント
個人的に持っているラセルダ作品のイメージには「トリッキーでないユーロ系、自分自身の一手をしっかり悩ませる」というモノがあるんですが、このギャラリストもまさにそんな感じです。ワーカーを置きその場のアクションを行うというシンプルなメカニクスにも関わらず、どのルートから選択していくべきなのか非常に悩ましい展開になるゲームです。
選択とはまさに人生そのもの、ギャラリストとなった自分の判断は、アーティストとギャラリストの未来を全て決める一手。手探りの中、巨匠を育てるべく奔走する。売れる、売れないは全て自分の手にかかっているボドゲですぜ。
ヴィタル・ラセルダ&イアン・オトゥール
デザイナーは重量級ボドゲでは確たるファン層を確立しているヴィタル・ラセルダ氏。最近国内を賑わせたオンマーズやヴィニョス、カンバンEVなどのビッグタイトルもラセルダの作品なので、名前を聞いた事がある人も増えたのではないでしょうか。
アートワークはラセルダ作品の顔とも言えるイアン・オトゥールが担当。イアンのアートそのものが、ちょうどこのギャラリストのテーマにもピッタリはまっているのが良きですな!事実イアン・オトゥールはこの2015年のギャラリストを皮切りに多くのボードゲームのデザインを手がけるようになったのです。ほほほ。
「ギャラリスト」これが魅惑のコンポーネント。
まぁ美しいのですよ。全てに惚れる。美しいは正義。とまぁコンポーネントの出来不出来にかなり揺れてしまうアタシにとっては、ラセルダ作品というのはいわゆる高級ブランドみたいな印象のゲームです。そのブランディングにふさわしい完成度の高さがギャラリストのコンポーネントからも感じるのがとても素晴らしい。
タイルのデザイン一つとっても、アートをテーマにしているボドゲだけあってか、見ていて飽きないレベルでございます。
ルールは日本語版!なんと拡張もついてる豪華使用
今回入手したのはふるりん本舗さんで取り扱っている日本語版。しかも拡張が同梱されている使用なんですよ!重量級のボドゲって日本語ルールだと本当にありがたく、細かな処理とか間違えないで遊べる安心感は大きいです。
中間決算時のミニ拡張、追加や差し替えをしてプレイするアート作品のタイルも同梱。これらの説明書もしっかり日本語化されて流ので、めっちゃありがたいのです。
ギャラリストの遊び方・ルール
【FAQ】ギャラリスト|ふるりん本舗
細かな準備、細かなルールは今回割愛しますよ。メインとなるアクションは全部で8種類、その他にエグゼクティブアクション、キックアウトアクションとなるものが存在していて、これらの組み合わせでゲームが進んでいくのです。
ロケーション(メイン)アクション
基本的には4つのエリアに分かれているそれぞれに2種類ずつのアクションが配置されているよ。それぞれのエリアに役割があり、その場所を訪れることでギャラリストとしての活動を行なっていくのです。
アーティスト・コロニー
無名の作家を見出したり、すでに活動中のアーティストたちから作品を買付たりできる場所。無名の作家(公開されていないタイルの作家)を発掘(発掘)すると初期名声と同じ金額で作品の買い付けが出来るよ。
セールス・オフィス
購入したアーティストの作品を売却するために必要な契約を結んだり、契約書をかわした作品を売却したり出来る場所。契約書となるカードには地味にアクションエリアが描かれていてエグゼクティブアクションでその効果を得ることができるよ。
メディア・センター
アーティストのプロモーション活動や、アシスタントの雇用ができるメディアセンター。実際のビジネスでも重要なプロモーションを効果的に行うには、コレクターやVIP、投資家などの人々と円滑にコミュニケーションを取らなければならないのです。
インターナショナル・マーケット
アシスタントを派遣できる国際的なマーケット市場。国際的な市場で影響力を発揮し、評価を得る(評価タイルを獲得)と最終決算時にボーナスが入るよ。そしてさらにオークション会場も併設されているので、ゲーム終了後に作品を一つ入手することができるかもしれないのです。
エグゼクティブアクション
自分のアクションの前後いずれかに1回だけエグゼクティブアクションを実行することができるよ。このサブアクションではチケットを切って自分のギャラリーに投資家・コレクター・VIPなどの要人を迎え入れることが出来るのです。
自分のギャラリーの直前にはロビーと呼ばれる待機場所があり、このロビーからギャラリーに迎えることで様々な恩恵を得ることが出来るようになるのだけど、ロビーにいる人々にもとても重要な役割があって、インターナショナル・マーケットでのアシスタント派遣先解放の重要な条件になっていたりするのです。ギャラリー、ロビーにどの要人を配置しておくか、それもビジネスとしてはとても重要な要素なのだな。
キックアウトアクション
配置ずみのギャラリストポーンやアシスタントは、そのエリアに次にやってきたポーンに押し出されてしまう。この黒い丸に押し出されるとそのターンの最後にキックアウトアクションが発生、エグゼクティブアクションやロケーションアクション(影響どの支払いは必要)のいずれか1回を行うことができるよ。
効果はシンプルでわかりやすい、でも処理はちょっと煩雑
アクションそのものはシンプルな効果なのだけど、そのアクションに紐づいた処理が割と細かい。最初はしっかりルールを確認しながら漏れがないように行う方が良いと思うぞ。
例:アーティストから作品を購入する場合
- 作品タイル上の訪問者コマをプラザ(ボード中央)に配置
- 銀行に購入代金(購入時点での名声値と同額)をお支払い
- アーティストの名声を上昇させる(アイコン参照しながら)
- 作品タイルに描かれたチケットを入手
- 購入した作品を自分の個人ボードに配置
- 署名トークンを現在の評価に合わせて変更
それぞれのアクションで注意すべき処理があるので、間違えないようにするのがちょっっと大変かな。
ソロプレイはできる?
出来ます!でも多分人数多い方が楽しい系。ただソロプレイはじっくりアクションの効果を確認したり、繋がりを検討したりとソロで遊ぶことも結構楽しい。
気に入った作品をギャラリーに並べて、売るか売らないか勝手に悩んでみたりするのも楽しい。というか、1人で結構楽しめてしまっているので、大勢の方が楽しいかもとは思うもののソロ専として自宅にあることは喜びしか感じない。1人で悶々とアートに親しみながら、ギャラリー・フェイクの名言とか思い出しながらゆっくりプレイするのはコレまた至福の体験でございました。
ギャラリストの感想・まとめ
思ってたよりプレイしやすく、結構没頭できる感じが良いです!ワーカープレイスメントとしてはさっぱりしたプレイ感なんだけど、何をどうすれば良いのかという点は最初必ず手探りになるので何度か遊ぶことがオススメ。絶対2回目、3回目の方が楽しくなってくタイプの重量級ゲームです。
深夜に1回、昼間に1回の2回ほど遊んでみたのだけど、、何がどうなっているのかさっぱり判らなかった最初の1回目に比べると、2回目は何をどうすればどうなるかが、ある程度スッキリした状態で遊べました。慣れてきた感覚がはっきりとわかりやすいので、 繰り返して遊ぶと楽しくなっていく感じ。
それぞれのアクションは実際のアートビジネスでも普通に起こりそうな事ばかりで、自分で発掘した無名新人のアーティストが巨匠と呼ばれるまでになると、ギャラリーに展示中の作品は絶対売るもんか、、、と言うような気分になったりします。
ワーカーへの厳しいお支払いなどはないのだけど、どのアクションとどのアクションを繋げればグイッと儲けることが出来るのか、その繋がりを頭にイメージするのが最初は難しいので手探り感満載。でもこの手探りの中で1人、また1人と巨匠への階段を登っていくこの感じが個人的にはツボ。
なんつーかなー。。なんとも言えない満足感というか....
※コインはBrass用クレイコインを使用してまする
(✧$ω$✧).....キラーン
アートもやっぱお金よね。お金(笑)
美しいアートワークに包まれて、まさにそのアートをテーマにしたボードゲーム「ギャラリスト」。やっぱり手に入れて良かった!見通しはあまり良くないという評判通り、最初から大勝ちできる方はもうボドゲ廃人ボドゲの手練れに違いないと思います。うまくプレイできなくっても、無名の作家を巨匠と呼ばれるところまで引き上げることを最初は目指したり、アクションごとに習熟していけばより深い楽しみが待っていそうなギャラリスト。
訪問者がワラワラいるマイギャラリー眺めてるのも、それはそれで楽しい。重いゲームですが慣れればソロでも1時間ちょっとくらいです。フレーバー、重さ、アートワーク、どれもツボったボドゲは久しぶり。何もないところから光ある道を探し当てることが好きだと思ったら、ぜひ一度プレイしてみて欲しいです!
もうちょっとインターナショナル・マーケットの活用の仕方上手くなりたいのよね。ロビーコントロールが上手くいかない...(●ↀωↀ●)✧
ギャラリスト日本語版の販売情報
日本語版の購入はふるりん本舗さんで!お安いゲームではないんですが、繰り返し遊んだ方が楽しくなる系なので損はないと思うよ!
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