みなさんこんにちは。コモノです。
今日は協力系ボードゲーム「富士-脱出-」のご紹介です。海外でのタイトルは「Fuji」だったんですけど、日本だと確かにそれだけでは分かりづらいところもありそう。それで脱出と付いたんではないかと想像しますが、ゲームとしてもずはり脱出系。
迫る溶岩流から逃げ切り、プレイヤーが全員集落に脱出できればプレイヤーの勝利。誰か1人でも溶岩流に飲まれてしまえば全プレイヤーの敗北。
霊峰富士はご存知の通り火山としても有名ですが、昔コモノがまだ小中学校の頃は休火山というくくりで教わった記憶があります。でも現在休火山という分類はないらしく、富士山はなんと活火山として分類されているそうですよ。ってー事は、いつ噴火してもオカシクないって事だね?(;;゚;Д;゚;;)…
さぁ、皆で脱出するのだ。「富士-脱出- 日本語版」開封いたします!
【目次】
〈富士-脱出-(Fjuji)とは〉
「富士-脱出-」のデザイナーは昨年のドイツ年間ゲーム大賞を賑わせたあのヴォルフガング・ヴァルシュ(Wolfgang Warsch)。そしてアートワークはウェバーソン・サンチアゴ(Weberson Santiago)。もうこの2人が並んだら買わない理由が見当たらないという事で即ポチしてみたわけです。
昨年のエッセンシュピールの新作ラッシュの中にチラチラお目見えしていた本作、協力ゲームと聞いてかなり楽しみにしてました。なぜこの2人が富士山をテーマに据えてゲームを作ったのかは全く謎ですが、そのうち誰かインタビューとかで掘り下げてくれないかなー。
ゲームは正方形のカードをシナリオカードに沿って並べエリアを作り、集落に向かって逃げ切るというシンプルなゲーム。シナリオ毎にカードの並びが変わるので最適なルートを都度考える必要があるのと毎ターン必ず移動ができるとは限らないため、迫り来る溶岩流の緊迫感もしっかり味わえるというゲーム。
ただスタート位置にいるだけで溢れるこのシリアス感...
加えてウェバーソン・サンチアゴのアートワークが富士のオカルティックな雰囲気の演出に一役も二役も買っていて横溝正史ドラマの中に入り込んで逃げているような火サス(火曜サスペンス)感。そう、あえて言おう。コレは火サス感溢れるボドゲであると。
〈開封〉
富士-脱出-(Fuji) 日本語版
プレイ人数:2〜4人
対象年齢 :10歳以上
プレイ時間:30〜45分
箱はパンデミックと同じようなサイズ。薄めだ。
裏面の説明も雰囲気を盛り上げてくれる。
内箱からしてこの美麗さ。もうこの時点で買ってよかった感が溢れている。
コンポーネント全体
割とシンプルでスッキリしたコンポーネント。
スクリーン
ダイスロールは隠してなんぼのスクリーンたち。背面にはフェイズの説明が描かれていてわかりやすい。
体力ボード&トークン
トークン類が少ない。個人的に面倒くさがりなので、トークンが少ないのは嬉しい。
プレイヤーコマ
プレイヤーは4人までなので、4色。暗めの色合いである。
ダイス
プレイヤー毎に色分けされたダイス。なんとなくダイスはポップな感じであるな。行動できるかどうかはダイス運に左右される。
カード類
カード類は大まかに分けると3つの役割があるよ。
ゲームの準備とレベルに関するカードがこの2種類。
シナリオカード
土地タイルやトークンの位置を決めるシナリオカード。全部で7種類ある。
レベル・カード
ゲームの難易度を決定するレベルカード。体力の減り方が決まる。
ゲームボードの役割を果たすのがこの3種類。
火山&岩場カード
富士の火口が燃えている。実際こんなの見たら泣く。
土地カード
ゲームフィールドを構成する土地カードは全部で24枚。下部に描かれたダイスの目と色が行動できるかどうかを定めているのだ。この漂うオカルティックな感じはどうした事だ・・・
集落カード
ゴールとなる集落。平和感ある。まさにまっしぐらに向かいたい。
プレイヤーが持つカードがこの3種類。
キャラクターカード
この方々は一体何の調査で富士山を訪れていたのだろうか。その時点から謎である。
技能カード
どこかの特殊部隊員のような技能たち。
装備カード
どう考えても予めトラブルに巻き込まれる事が前提の装備たち。この4人の所属する組織は一体どこだというのか。調査を受ける富士の謎って、なんなんだ。
〈セットアップ〉
ざっくりゲームの準備の方法をご紹介。
1)キャラクターカードを選ぶ
2)技能カードをランダムに1枚受け取る
3)受け取った技能カードの指示に従い装備カードを受け取る
4)キャラクター毎のダイス&トークン類を受け取る(技能カードに指示がある場合はしたがう事)
5)シナリオカードを選び、指示通りに土地と集落カードを並べる
6)シナリオカードの指示に従い火山・装備トークンを配置する
7)体力ボードに各プレイヤーのマーカーを1つ置く
8)レベルカードを選択し、体力ボードの横に配置する
9)負傷トークン・パワーバーを全員が手の届く場所に配置しサプライとする
準備でのポイントは技能カードによってダイスや装備カードの枚数が異なるので、技能カードを受け取った後に装備カードやダイス・トークン類を準備するようにしよう。 コレで脱出すべき準備は整ったことになる。
〈遊び方〉
遊び方もいたってシンプル。ただちょっとばかり癖のあるメカニクスがあって、それがこの協力ゲームを面白くしていると思う。
有効ダイス判定
プレイヤーは毎ラウンドダイスを振るのだけど、このダイスの値が有効になるには、目的地に設定された土地カードに記載された条件と一致していなければならない。
そしてその有効となったダイスの合計値が左右のプレイヤーの有効値(同じ条件で求める)より大きかった時のみ移動が出来るのだ。
例)目的地が写真の土地だった場合、有効ダイスの条件は以下。
・青色かつ1・2・3のダイスのみ合計する
写真の場合なら、有効ダイスは青の3のみとなる。
目的地の土地カードに記載された条件と自分が振り終えたダイスの目を比べ、有効となったダイスのみで合計値を求める。移動&体力フェイズで左右のプレイヤーの有効値と自分の有効値を比べ、両隣の数値以上を出せていれば目的地に向かって移動できるよ。
ゲームの流れ
各ラウンドは以下のようなフェイズに分かれている。各プレイヤーに配布されたスクリーンの裏面に分かりやすいアイコンで印刷もされているよ。各フェイズの詳細はルールブックを参照してほしい。そうそう簡単に逃げ延びることができないのだ。
a)ダイスロールフェイズ
b)計画・装備品カードフェイズ
c)振り直しフェイズ
d)装備品カードフェイズ
e)移動・体力フェイズ
f)噴火フェイズ
最後の噴火フェイズでは、火口から流れ出た溶岩流が土地を焼き尽くしていく。
毎ラウンド必ず起こる噴火フェイズで伸びる火の手を背に、集落を目指して移動するのだよ。
〈まとめ〉
協力ゲームということで、1人2役で遊べるだろうとウキウキしながらルール確認がてら遊んで見たわけだけど....結論1人遊びは無理なメカニクスかなと。
理由はb)の計画・装備品カードフェイズで「目的地を決めコマを配置する」というとても重要なアクションを行うわけですが、そこが1番このゲームの面白さのポイントでありインタラクションのキモとなっているから。
a)でダイスを振った結果はスクリーンで隠されていて、e)の移動・体力フェイズまでプレイヤー間でダイスの目を共有することが出来ない。そのため目的地を定めるのには限られたコミュニケーションでダイスの目を予想し、少しでも移動が可能な土地を目指すことになる。他のプレイヤーの秘匿情報がゲームの面白さに繋がるので、1人2役ではこのゲームの面白みを堪能することが出来なかったのだ。
各プレイヤーが降ったダイスの結果を少ない情報から推測し確実に移動ができる目的地を選択しなければ、ほどなく溶岩流に追いつかれてしまうだろうし、土地に散らばる装備品などを効率よく集めることも難しい。またルールに基づき適切な情報交換を行えるかどうか、コミュニケーションとしてのもどかしさを上手く取り入れたルールなのだ。
そのあたりのインタラクションにこのゲームの面白さは凝縮されている感じがしたので、残念ながらぼっち遊びには不向きだった。
ダイス目の確率から有効ダイスを推測し、目的地を決定して行ったり装備品カードを戦略的に使用するという思考的おもしろみもしっかりある。ルールを深夜にぼちぼち確認していた感じではみんなで小難しいこと言わずにキャーキャー言いながら溶岩から逃げ惑うプレイの方が楽しそうだなと思ったけどな。
あと、やはりこのアートワークは見ていて本当にうっとりする。同じく協力ゲームの名作パンデミックと似た楽しさがあるけど、パンデミックよりも運的な要素が強いかしら。パンデミックがハリウッド映画なら、富士-脱出-は火サス。それぞれ魅力は違えどもどちらもドキドキできるのは間違いないのだ。
(ΦωΦ)フフフ…
ということで、富士-脱出-は会社に持ってって遊ぶ枠に確定。ただ問題はプレイ時間だなー。ランチでは厳しいような気がする・・・
なんとか富士-脱出-会を企画しよう。コレは脱出してみたい。
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画像:駿河屋
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