ども。コモノです。
今日はフードチェインマグネイトのご紹介です。そうです。各方面で「震えた..」とか「オワタ.....」とか悲劇を嘆く感想が飛び交うボドゲ。そしてそんなに苦しそうな感想が飛び交うボドゲなのに、ゲーマー諸氏からは大絶賛されているゲーマーズゲーム。長らくプレミア価格がつきっぱなしでなかなか手が出なかったボドゲ。それがこちらのフードチェーンマグネイトです。
ソロプレイできないボドゲなんですがずっと気になってたフードチェーンマグネイト。先日ニューゲームズオーダーから再販のアナウンスがあり、この機会を外したら入手難しくなるかなー、、と気の迷いのままポチっとしてしまった重量級。。。あ、開けるよ....?いいんだな?
フードチェインマグネイト 日本語版
プレイ人数:2〜5人
対象年齢 :14歳以上
プレイ時間:120〜140分
Boardgamegeek
フードチェインマグネイトってどんなゲーム?
なんといいますか、手にとってルールを読むまではですね...
「素人が手を出すんじゃねぇ!火傷するぜ?」とか
「ヒヨッコはお呼びじゃねぇ。ウチ帰ってミルクでも飲んどけ。」とか
そんな感じするボドゲだと思ってました。え、怖い?...みたいな?
なんでかと言いますと、ネットで見かけるフードチェーンマグネイトの感想を呟く重篤ゲーマの方々の感想、散った...とか、あぁぁぁ....とかが多いんですもの。そんなん聞いちゃうとちょっとビビるじゃん?お値段プレミアだし、興味はあるんだけどどうすっかなぁ。。。ソロも出来ないし。という感じで眺めてたのがこれまで。
でもポチっちゃったし!せっかくだからルールだけでも知りたいじゃん!ということで上手く理解できなかったら暑さのせいにしようということで夏の日の午後に開封にいたりました。でも、ルール読んで一人二役で手元で動かしてみたらその印象は結構変わりましたよ?端的に言ってもとても面白いボドゲじゃないっすか!面白いよ?!
ルールが思ってたよりもシンプルだった。
1番印象が変わったのはルール。フードチェーンマグネイトのルールは思っていたよりも理解しやすかったのです。これは意外だったかなぁ。もっと複雑難解なルールブックを想像しちゃってました。ただしこれは「読みやすくて何をどうすれば良いのか分かりやすく書いてあった」ということであって「どうすれば勝てるのか想像がついた」のではないところがポイント。
ざっくり言ってしまえばフードチェーンマグネイトはシンプルな会社経営。マイルストーンカードの争奪戦に勝ち抜き、その効果をいかに経営(会社の運営)に繋いで効率よくお金を稼いでいくかを考えるボドゲです。チェーン店を拡大するのもお金が目的。
- 商品を売るために会社で従業員をやとう
- 地域住民のニーズを満たすために商品を作って売る
- レストランの売り上げをあげるために宣伝をする
要は普段のビジネスで考えなければいけないことを経営者の視点で考えて手を動かしていくボードゲーム。そうやって見れば何をすればどうなるのか、ってのは少し想像できる気はします。ただし思うような効果を出す事はとても難しい。社長一人でお金もなく始まるこのゲーム、どんだけ心細いんや。
人を雇ってトレーニングするとかよく聞く話ですが、フードチェーンマグネイトでは職位があがると給料もかかる....とか、宣伝してみたんだけどよく考えたら仕入れの事忘れててレモンスカッシュ足りんわ、、とか。宣伝して売り捌くぞっ!とか意気込んでみても看板出すとこ次第で他の店に客を奪われたりとか起きます。そういう事が慣れないうちはとても発生しそうで、そうこうしている内にきっと取り返しがつかない差が周囲と生まれるちゃう予感が拭えません。ミスった時のリカバリーなんかは、重量級ボドゲの経験が浅ければかなり厳しいように思いました。それがあの数々の嘆きの感想につながってるのかなと。
やはりハンバーガーを売ってファストフードチェーンを大きくしましょう!儲けましょう!っていう広がりある感じのゲームではないっすな。甘さ一切なしw
上手くやっていくには数手番先(もっと?)にどうなっていくのか見通す力が間違いなく必要で、それは全て計画次第って事なのではないかと。タイトに素早く、効果は最大にっていう競争のボドゲ。抜け目なく利益を集める狡猾さも必要。なるほど、ファストフードの経営って難しいのね。運の要素がない重篤ゲーマー向けってそういうことか。
フードチェインマグネイトのコンポーネント
ボックスアートを始めパッケージはオールドアメリカンな雰囲気満点。ほぼ英語で描かれてますが正面右下に控えめに「フードチェーンマグネイト 日本語版」って入ってます。
今回は先行予約の特典で、紙製のカード立てが付いてきました。(別途購入可能)これが超便利。従業員カードを立てて配置できるので省スペース化できるしカードも取りやすい。
全部平置きにするととんでもなく場所をとるので必須ではないかと思います。タイルやコマ類もそこまで種類多くはないので、重量級ながらもコンポーネントの取り回しがかなりしやすいのは魅力的。
フードチェインマグネイトのルール・遊び方
コンポーネントのアートワークは全体的にシンプルで華美なところがあまりありません。それに加えてルールブックやメニュー型サマリーが見やすいのでルールやゲームの流れを把握するのは思ったほど大変ではありませんでした。2人用でのセットアップだと町の広さもそこまで大きくなくてサクッと用意できちゃいます。プレイする人数でマップタイルの広さが変わるので、5人とかだと広いテーブルは必須かな。
ターンの流れ
ゲーム内の1ターンは7個のフェーズに分かれております。理解しなければならない処理は確かにいっぱいあるけど、メニュー型のプレイサマリーがついてるのできっと大丈夫。やはり間違えずに覚えておきたいのは第3フェーズのステップと第4のディナータイムの処理かな?ゲームの展開にも影響があるので、最初はルールブックをしっかり確認しながらプレイしましょう。
流れはざっくり説明しておきますよ。
1)リストラクチャリング
このラウンドで働く従業員を選択して仕事中と休養中に振り分けます。仕事中のメンバーで会社の組織を作ります。
2)オーダー・オブ・ビジネス
従業員の空き枠が多い順に手番順を決定します。
3)ナイン・トゥ・ファイブ
手番順に以下のステップを順に行います。ステップを実行する従業員が会社組織にいない場合はスキップしますよ。
- 従業員の雇用
- 従業員の教育
- マーケティング
- 仕入れと調理(商品コマの獲得)
- 新規顧客開拓(家・庭の配置)
- 新規出店の戦略
4)ディナータイム
商品価格を決定したら町の各家庭のニーズを確認し、ルール通りに処理して売り上げを得ますよ。
5)ペイデイ
高級取りの従業員に賃金をお支払いします。
6)マーケティング・キャンペーン
マップ上で展開されている宣伝タイルを順番に処理します。
7)クリンナップ
販売できなかった食品や飲料をストックに戻し、準備中のレストランを開店させます。従業員を手札に戻して、このターン中に獲得されたマイルストーンカードの束をゲームから除外します。
ナイントゥファイブ(9:00-5:00)はまさに会社で働いている時間そのものでこのゲームのキモを握るフェーズ。それぞれの処理で大事な注意事項があるのでなるべく理解しておきたいところです。そこからディナータイムにうまく繋げる事ができるかがポイントになります。この第3・4のためにリストラクチャリング(第1フェーズ)を適切に行う必要があるんですね。この辺りの流れをイメージできるようになるとうまくプレイできそうよなー。
個人的にキツイなと思ったのはクリンナップフェイズで獲得できなかったマイルストーンカードがゲームから除外されること。つまり誰かがマイルストーンカードを手にしたら、同じターン中に入手しないと以後絶対手に入る事がないのです。これは厳しい、厳しいですよ....
ソロプレイはできる?
ソロプレイ残念ながらできません。ただ、しっかり計画を立てて事業を進めていくボドゲなので、インタラクションがあまり発生しない戦略も取れると言えば取れます。一人でルール確認のつもりで回していくのも楽しいし、それで慣れたら誰かと遊ぶ、というのは1番楽しめるのかも。ソロプレイ好きの人でも楽しめるボドゲだけど、妨害系のプレイもできちゃうから一人でみっちり思う通りにやりたい!という気持ちが強めの人は遊ぶ相手も同じような傾向の人と遊ぶと良いと思うよ!
フードチェインマグネイトの感想・まとめ
日曜の午後、エアコンのない部屋(デフォルト)で扇風機にガンガン当ながらルール確認をする事2時間。いやぁ。。。楽しいじゃない?!
まずやっぱりアートワークは最高です(ΦωΦ)!
古き良きアメリカンな感じのバーガー店、良い感じですわ。そりゃウエイトレスを看板娘にして5ドル黙って稼いだって良いじゃない。ハンバーガー売らなくても。
従業員の成長ツリーも楽しく、どういうメンバーでどう会社を育て、どういう販売戦略を立てるのか考えるのだけでも最初は楽しい。もちろん最初から上手くいくなんてことはないのだけど。
うっかりバーガーの宣伝ばかりしてバーガー一筋!とか考えてたら、ライバル店がコーラの宣伝をしてくれちゃったおかげでコーラ飲みたい人増えちゃったじゃん!みたいな事が起きたりとかします。フードチェーンマグネイトでは「バーガーと炭酸のセット」ってニーズ持ってるお客様は絶対バーガーと炭酸のセットじゃなきゃ売れません。
他のプレイヤーのやることにも気を払う必要があるってのは他の重ゲーと同じですが、市場のニーズと合致しないことには延々アイテムを廃棄することになってしまい、お金にもならず、従業員への支払いばっかりでいつの間にか給料が払えず解雇するとかも起きちゃいます。ストライキは起きません。彼らは辞めていきます。事業も縮小です。多分こうなると挽回できる気がしない。
そんな苦しい経営でも、人事関連の人材育成を頑張れば支払い猶予を得るような方針も取れたりして、取り逃したマイルストーンカード(例えば「最初に誰かを教育した(15ドル分供与免除)」とか)の代わりとなる別の道が見えてきたりします。生産量の増加と高級化主任を育成して一気に販売で巻き返すとか、そういう戦略を見出せるのも楽しみ方の一つかしら。
もちろんそれで勝てれば...なんだけども(悲しみ)
あぁ、勝つって難しい。。。
いくつか会社基盤づくりの道筋が自分の中で芽生えたら、そこにマーケティングの方針を加味した生産、販売の計画を繋いでいくのはきっと面白いし、上手く行ったらコレ相当気持ちよいだろ?!ってのはルール確認しててもよく分かりました。そしてなぜか「そんなプレイがしてみたい!」と強烈に思ってしまった魔性の魅力。いや全くそんなんできないけどさ、なんか上手くなってみたい!と思っちゃったの、なんでだろ?
もちろん気持ちよくお金を稼ぐためには考えなければならない事がとてもあるので、、、何度も遊んで、何度も予期しないことにあたって、それでもその度に回避策や打開策を考えて実行して、、、、とかなってくる。そういう気分にハマったらやり込まざるを得ないボドゲ。きっと他のプレイヤーの妨害工作とかありそうだけど、まずはそれどころじゃないので従業員教育と販売戦略がしっかりマッチするようにできるようにならないと...これを今日はずっと考えてた。それだけでもかなり楽しいのね。
なるほど、これがフードチェーンマグネイト。。。思ってたよりずっと好きかも!
自然と無駄なく考えることに向き合う事になってるといいますか、重ゲーなんだけどあまり抵抗感なく考え込んでしまいます。んー、、このプレイしたときの感じがグッと密な感じがします。はぁ...誰かとプレイするとか恐れ多いので、もう少し一人で考え込みたい。「あ、そんなはずじゃなかった!」をどうにか切り抜けるための綱渡り。それでも小さな取り組みがちょっと上手くまわるのがとても楽しく感じる、これぞザ・重ゲーというフードチェーンマグネイトでした!
やっぱこういうボドゲ、楽しいよなぁ...
拡張のケチャップも出るかしら?
【フードチェーンマグネイト 日本語版 販売情報】
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