ども。コモノです。
今日はダーウィンズ・ジャーニーのご紹介をしたためようかと思います。幼年期、ガラパゴスという島は自分にとってロマンの塊の様な場所でした。進化論という子どもにとってもなんだかすごいパワーワードを生み出した絶界の孤島。子供心としてはそらまぁ憧れますわね?そんな島の存在を知ったのは小学生くらいの時でした。当時はよくわからなかった、でもなんだか特別な魅力を放つその場所を調査した科学者がこのゲームのテーマにもなったダーウィンその人です。外国の人の名前を覚えたのもノストラダムスかダーウィンかってくらいインパクトありました。
進化論を生み出したとされるダーウィンの調査の旅路をたどる本作、もちろんビーグル号も出てきます。手掛けたのはシモーネ・ルチアーニ&ネストーレ・マンゴーネのお二人です。浪漫的なテーマを実力派デザイナーが手掛けるとなれば興味が湧かないわけございません。Kickでデラックス版を見送った悔恨の念を晴らすべく日本語版を入手したのでご紹介いたしますよ!
ダーウィンズ・ジャーニー 日本語版
プレイ人数:1〜4人
対象年齢 :14歳以上
プレイ時間:60〜120分
国内発行元:ダーウィンズ・ジャーニー 日本語版 – KenBill Official Site
Boardgamegeek
ダーウィンズ・ジャーニーってどんなゲーム?
テーマはまさにダーウィンが巡った冒険そのものです。かの島を踏破しながら新しい仮説へつながる発見を求めて、よりよく観察を行います。
それらを支えるメカニクスはワーカープレイスメント。更にこのゲームで活躍するワーカーたちは、アカデミーで学びを得て知識を開花させていく成長型のワーカーであることが特徴的です。
探検や航海のみならず、読むこと(アカデミー)や書く事(手紙)の能力を手に入れ、それぞれのワーカーの能力をどう伸ばしていくかも重要になってきます。
美しいアートワーク
シックなコンポーネントデザインが好みだったのもこのゲームへの期待度を上げたポイント。実際手に取ってみたらば、箱の中まで良い感じ!
落ち着いた色調、時代の風刺絵のようなトーンで描かれたシンボルがたまらなくワクワク感を盛り上げてくれます。もう盛り上がっております。
ルチアーニ&マンゴーネ
この2人のコンビの手がけたタイトルはかなり評価の高いタイトルが多いのですよね。同じく学者の旅がテーマのゲーム「ニュートン」もこの2人のデザインです。
ボドゲデザイナーはメカニクスだけではなくそれぞれのテーマにも着想を働かせながらゲームバランスをとる必要があるかと思うのですが、アカデミックなテーマもこなせるこの2人って普段どんなこと考えてるのかね?
ダーウィンズ・ジャーニーのコンポーネント
まず箱がちょっと薄かったのが驚きでした。開けてみたら無駄なくきゅっと詰まっている感じ。タイル類は抜いてしまうとそれなりに数もあるので無くさない様に注意は必要です。
この箱の薄さよ....
基本セット、拡張セットを重ねた状態で通常の大箱と同じくらいのサイズ感です。
ダーウィンズ・ジャーニーのルール・遊び方
久しぶりの重量級なので、そこそこ手間取りました。博物館タイルなどのセットアップは間違えない様に慎重にしましょう。セットアップは難しくはないけれど簡単でもないので、ルールブックはしっかりと横に置きながらがお勧めです。
手番の流れ
ゲームは全部で5ラウンド。各ラウンドはアクションフェイズ、報酬フェイズ、クリーンアップフェイズに分かれています。アクションフェイズではラウンドの手番順に各プレイヤーが順番にワーカーを配置してアクションを実行していきます。
アクションの種類
アクションの発動はワーカーを設置するだけではなく冒険者や船が止まった場所などで発生するものもあります。これらの連鎖がうまくつながるととても気持ちが良いのですよ!アクション効果は種類がかなりありますが、いずれも調査研究につながるものばかり。数が多いので代表的なものをピックアップしてご紹介します。ボード上の効果が発生するエリアごとにもいくつか注意があるので、最初はルールをよく読んで進めましょう。
探検
緑の封蝋マークが必要な「探検」では冒険者たちによる島の調査を行うことが出来ますよ!前人未到の各地をめぐり得点できるだけでなく、テントを張って追加の効果を得たりすることが出来ます。
航海
青の封蝋マークが必要な「航海」では船を進めて新しい航路を開き、新しい島に冒険者を派遣します。航路は少し迂回することで得点につながるエリアもあるため単純に先に行けば良いということでもありません。でも伴走するビーグル号に遅れてしまうとラウンド決算時の得点が減るなどのジレンマも発生します。
交信
黄の封蝋マークが必要な「交信」は3つの封筒のいずれかを選んで切手を配置し、ラウンド決算時のマジョリティを争います。マジョリティの1位、2位は追加効果を得ることが出来ますよ。切手タイルは世界で初めて発行された切手「ペニー・ブラック」ぽいデザインなのもテンションが上がるポイント。
アカデミー
赤の封蝋マークが必要な「アカデミー」はワーカーを成長させる封蝋を巻物から得ることが出来ます。封蝋は多くの配置スペースにも記載されていて、これらの封蝋条件を満たす能力を持ったワーカーしかその場所に置くことが出来ません。ワーカーを成長させるのには必須のアクションです。
レンズスペースの開放
日誌エリア(探検・航海・交信・アカデミー)の各エリアには開放できる追加エリアがあります。これらを使用可能にするのがレンズスペースの開放です。このアクション用のエリアは2つしかないので基本早い者勝ちですが、自分のレンズを置くことのメリットは大きいのです。他のプレイヤーが使用した際に使用料が入ってくるほか、レンズを置いた時にその効果を条件無視で得ることが出来ます。
標本の提出
島の探検で研究を進めた標本を、博物館に提出することが出来ます。博物館タイルがならんで行く様は非常に満足度高し。海イグアナとか三葉虫とか、なんともワクワクしてくる標本が並んでいきますよ!
博物館の標本研究
島での研究は冒険者がそのエリアに留まることで実行されますが、博物館に提出済みの標本も研究することが出来ます。博物館に提出された標本はみんなの共有財産として扱われるのも面白いインタラクションを生みます。
目的の獲得
調査研究や取得済みの封蝋、コインなど自分の個人成績で達成できる目的タイルを得ることができます。目的タイルは達成時に追加の効果を得ることができるほか、最終得点にも加算されるので自分の目指す戦略に合わせたタイルを得ると大きく点数を伸ばすことも出来ますよ。
進化論トラックの前進
おもに標本提出時や島の探検時に進めることができる進化論トラック。このトラックでは標本からの最終得点を伸ばすための係数を上げることが出来ます。トラック上の本の数値がそのまま標本の得点を乗算するのでしっかり伸ばしておかないと最後に後悔することに....
そのほかにも特殊アクションエリアでランダムに配置されるタイルには提出済みの標本を再提出するアクションがあったり、特殊封蝋(どの色としてもカウントできる封蝋)を得るアクションがあったりと非常に多彩なので、最適解を考える苦しさ楽しさが満載なのです。
ソロプレイはできる?
ダーウィンズ・ジャーニーはソロプレイも堪能できます!ソロプレイはオートマデッキを使用した仮想プレイヤーの手番をシミュレートするタイプのソロプレイです。
アルフレッドの思考を整理してあげるのがちょっと大変
対戦相手はアルフレッド君。アルは自分の手番でカードに描かれたアクションのいずれかを行うんですが、このアクションをどれにするか決定するまでの処理がちょっと複雑です。条件ごとの優先度選択なので「Aであればココ、Bならコッチ、AとBが一緒ならC」みたいな整理と判断をしてあげなければイケません。この処理が複雑なんだよね....
ダーウィンズ・ジャーニーの面白さはアクションをどう組み合わせるかというところにあるのでオートマの判断にも一定の合理性を出すための処理なのですが、順次処理かつ選択肢の条件をプレイヤーが判断してオートマのアクションを導く必要があります。ここはたぶんエンジニア的な思考が必要ね。。。(順番通りやればいいだけだんだけど)
基本路線がコチラの邪魔を最優先するという...
何回かプレイすれば多分自然と出来る様になりますが、最初のルールを覚える段階で一緒にチャレンジしたので結構めんどかった。
気がつけば遥か先をいくビーグル号とアル君の船
だがしかし。だがしかし!このオートマとの対戦はめっちゃ面白かったよ!当然ホイホイ負けましたけど「あ、そこ置いちゃう?そこ?」みたいなソロプレイが楽しめます。アルとの対戦、慣れる価値はあるぞ?
ダーウィンズ・ジャーニーの感想・まとめ
兎にも角にも面白い。フレーバーとメカニクスのマッチした感じはかなり濃いめ。やりたいことに突き進んでもしっかり得点できるルートにつながるし、破綻しにくいバランスでまとめらてる印象です。大勝ちできなくても惨敗感少ないのって良いわね。
個人的にも考古学というものにとても魅力を感じていて、化石とか好きだった自分の眠れる童心をくすぐりまくるフレーバーがたまりません。実際プレイしていても調査している感じがめっちゃあるし、あの標本も欲しい、あれもやりたいとあれこれ欲張りになってしまう自分を戒める辛さあるよ!
あふれるロマン
あの標本を置きたい。研究したい。特に三葉虫とかアンモナイトとかどうしても置きたくなるのは仕方なく、それを目指して冒険者を派遣してしまうのが勝てない理由なのかもしれませんが標本を置けたときの満足感たるや....
ダーウィンおじいちゃんと愉快な仲間達
調査に同行してくれる乗組員には面白いキャラクターもいたりするので、能力もさることながら辛く苦しいガラパゴス周遊も、もしかしたら船上やキャンプ地で笑い声が起きていたのかもしれないなぁと調査御一行の当時の船旅を想像したりするのも楽しいわけです。自分がその一員である妄想なんてねぇ....良いな!
お金。お金。お金。調査に必要なのは浪漫でも熱意でもなくお金。
そして得点への最適解を探る頭脳はフル回転。特殊アクションやら目的タイルやら目を配るべき場所は盤上にワサワサ広がっているので、自分が目指すべき方向に悩めることうけあい。そして一番苦しいのが間違いなく資金繰りなのです。1コインとかわずかに足らず狙ったアクションが選択できないぐぬぬ感....たまりません。
考古学とかに興味があった故なのか、思っていた以上にプレイ後の満足感がえられたダーウィンズ・ジャーニー。悩ましくも楽しいワーカープレイスメントでした!これはもうちょっと上手くなりたいなぁ....同時発売された拡張「火の大地」もポチってあるので楽しみでございます!(アル君との基本セットプレイがもうちょっとスムーズにできる様になってから開けるよ...)
【ダーウィンズ・ジャーニー 日本語版 販売情報】
発売は2023年6月23日ですよ!各所で予約始まっています。
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