ども。コモノです。
今日は久しぶりに積みゲー開封でございます。タイトルは「Black Sonata」といいまして、シェイクスピアのソネット集に登場する架空の人物であるダーク・レディを探し当てる推理系パズルです。
いかしたアートワークにシェクスピア。もはや知的好奇心がくすぐりまくられ、このゲームの存在を知ってからは、いつかダークレディの真実を暴いてやろうと悶々とブラックソナタのことを考えておりました(過大表現)
もともとBlack Sonataのことを知ったのはKickstarterだったのですが、購入する決め手となったのは同じパブリッシャーが手がけたMaquisを遊んだ事がきっかけ。
このMaquisがめっちゃ面白かったため、俄然同じパブリッシャーが手がけるソロ専用ボドゲにも興味が湧いちゃったのですよね。そしてMaquis第2版のプロジェクトが始まった時にアドオンで追加しておいたのでした。
楽しみにしてた!とか言いつつ積んじゃってた訳ですが、しっかり遊んで面白かったんで懺悔の念も込めて今日は「Black Sonata」ご紹介しちゃいますよ!
Black Sonata
プレイ人数:1人
対象年齢 :12歳以上
プレイ時間:30分
Boardgamegeek
ブラックソナタ(Black Sonata)ってどんなゲーム?
シェイクスピアの作品にあるソネット集。その中でもNo.127〜152はダークレディソネットと呼ばれ、詩人の心を惑わす黒き婦人のことを綴ったソネットがまとめられています。ソネット集No.1〜126で綴られたフェアユース(清廉な若者)とは対照的に、ダークレディは蠱惑的で詩人を惑わす象徴として綴られているんですね。そのダークレディとは一体誰なのか?架空の人物なのか?それともモデルが実在したのか?など様々な憶測と議論を呼んでいてこれまで研究が続けられている話題でもあるみたいです。
ブラックソナタではそのトピックそのものがゲームのテーマになっていてロンドンを彷徨うダークレディの足跡を辿り、黒き婦人の正体を暴く事がゲームの目的になっています。
PnPでも入手可能!
Black Sonataはもともと自分自身で印刷を行い、プレイする事ができるPnP配布されていたゲームで現在でもBGGからデータを入手する事ができるので購入しなくても遊べるのが魅力の一つ。
2017 Golden Geek Best Print & Play Board Game Nomineeにも選ばれた実績があるのです。
制限時間のある論理パズル
ダークレディは毎ターン移動し、姿をくらまします。プレイヤーは彼女を追いその正体を暴こうと推理を巡らせることになるのです。
ステルスカードと呼ばれるダークレディの居場所を暗示するデッキを手に持ち、毎ターン移動、または調査を行いダークレディの持っているシンボル3つを特定していきます。
いるはずだと思った場所にダークレディが居ないこともしばしば、そしてその1手が無駄になることでヒヤリと迫り来るゲームの終わり。ダークレディのもつシンボルを特定するためのカードが増えるとステルスカードの進みが早くなるので後半のミステイクほど追い詰められる感じが強くなる仕組みも良い緊張感を生んでくれます。
※カード左端に並ぶ3つのシンボルを当てるのです
ソロプレイだしねー、なんてのんびりやっているといつの間にか黒き婦人はするりと闇に紛れてしまい、慌てて勘で当てに行こうものなら永遠にダークレディを失うかもしれないというまさにロマンチックなバランス。
※手がかりカードのアイコンは一部修正してございます.....
逢いたいのに逢う事が叶わず、秘密を暴こうとすると全てを失いそうな不安をしっかり味わえるパズルゲームになっているんですよ。論理パズルだからしっかり答えを揃えたいんだけども時間をかけすぎるとバーストするし得点も伸びないという仕組みがとても良い感じなのです。
ブラックソナタのコンポーネント
PnPで配布されていたデータを製品版としてまとめたのが今日ご紹介するバージョン。しっかりしたメインボードに木製トークン、カードなどが入っているよ。同じくPnPから製品版となったMaquis同様に非常に丁寧な作り。
ブラックソナタのルール・遊び方
ルールは当然ながら英語なのですが、BGGに有志の方が翻訳してくれた日本語ルールがアップされております。非常にありがたく使わせていただきます。ありがとうございます。
Black Sonata 日本語版ルールブック | Black Sonata
ゲームの準備
ゲームの準備は基本的に並べるだけなのだけど、1点だけちょっと注意すべき準備があるよ。ステルスカードのデッキ準備にはいくつかルールがあり、間違えるとゲームが破綻してしまうのでしっかりルールに目を通して準備しよう。(とはいえカード順を決められたルールで並べ替えるだけですが)
手番の流れ
ソロプレイだからこそ気をつけたり手番の流れ。特にブラックソナタは割と単調な作業なので、うっかりしていなくても処理を忘れがちになります。手番は2つのステップに分かれていて、ダークレディを探すステップ(2)では複数あるアクションから1つだけ選んで実行するよ。
1.ダークレディの逃亡
a)一番上のカードを...
ダークレディの居場所を更新しますよ。ステルスデッキの一番上のカードを、デッキの最下部に移す。
b)デッキの一番下に入れる
デッキの一番上に来たカードに表示されているアイコンがある街のいずれかにダークレディが居ます。
2.ダークレディを探す・または宣言する
ステップ2は以下のアクションから1つを選んで実行する。
a)自分のコマを隣接している街に移動する
b)ダークレディの捜査
c)霧カードアクション
d)パス
最初やりがちだったのが、自分のコマを移動させたあとにダークレディの捜査をしてしまったこと。(イージーモードではOK)
捜査の手順
1.霧カードの追加
ステルスデッキの一番上のカードの下に、霧カードの山札から1枚とり差し込む。
2.街での捜査
ステルスカードを街カードへ重ねる。
3.ダークレディの確認
カードを重ねたままひっくり返し、空いた穴からダークレディのアイコンが見えるか確認するよ。
居ないとかなり凹む。
いると「おぉ!!」って気分になるギミックが素晴らしい。
ダークレディのシルエットが見えた場合、手がかりデッキの2枚目(隠されている一番上のカード)をデッキから抜き出し、手元に置く。
手がかりカードの左端に描かれている3つのアイコンが、各紋章のカードにどのように使用されているかが右端に記載されている。Marie Mountjoyのもつ3つのアイコンは以下のようなヒントになる。
- 薔薇の紋章のカードには3つのうち1つが使用されている
- どんぐりの紋章のカードには2つ使用されているカード/1つも使用されていないカードがある
つまり手がかりカードが多く手に入れば、ダークレディ(メインボード左上に差し込んだカード)の持っている紋章を説明できるようになるという事なのであります。まさにルート・オブ・リマやクリプティッドのような論理パズルって事ですね。
ブラックソナタ(Black Sonata)の感想・まとめ
なんとなくルールを読んだだけではピンと来なかったのだけど、実際遊んでみるとかなり楽しい!ステルスデッキの進み方は手がかりカードが増えると早まっていくし、ダークレディのヒントが手に入るたびにデッキには霧カードが増える(ダークレディの捜査ができない)ため何も成果が得られない手番が1つ起きるだけで割と影響が大きい。
また、ダークレディの捜査で行うシルエットの確認は、居ると嬉しいし居ないと結構グサッとくる。今ここに居るかどうかを推理するのも思いのほか楽しいよ。
覗き見る感じがまたいいのだよね。
ダークレディの操作はその同じ街にいなければ行う事ができない(成功しない)ため、自分自身のコマをどこに移動させるかというのも大きなポイント。今どこに居るのか、次ダークレディはどこにいくのかを予想しながらコマを進める必要もあるので、存外なやましい事になるのです。
気がつくと時間切れも起きるし、ソネット集のダークレディの謎暴くのも一苦労なんだわよ.....
見事的中させた時の快感は中々でした。
難易度調整もあるし、程よく考えを巡らせる事ができるソロ専用ボドゲ。ブラックソナタ良いっすな!Maquisとはまた違った楽しみができる良いボドゲだと思います。
しかしダークレディさんったら、奔放なんだから....
各アイコンに秘められた意味をよく読んでみると、それぞれのキャラが際立って楽しさ倍増。街カードや霧カードにあるフレーズも翻訳してみると楽しさ増しますぜ。
機械翻訳だからこその不気味さ、あるな...Σ(´Д`;;;ノ)ノ
【ブラックソナタ(Black Sonata)販売情報】
国内でもAmazon等で一部並行輸入が手に入るみたい。お値段的なものなども参考にしつつ、海外から直接ポチるのもあり。