ぼっちのホビーBlog[ボドゲ版]

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【ボードゲーム紹介】ヒポクラテス(Hippocrates)|キタ(・∀・)コレ!!さぁ、患者を救うよ!▶︎金が...金が足りない。薬買えない。あの人、酷いケガしてる。ど、どどど、、どうするっ?!

ども。コモノです。

 

我々が日頃お世話になる医療。まさに人類の叡智の積み重ねこそが成しうる奇跡なわけですが、この医療の父と呼ばれているのがこのゲームのタイトルにあるヒポクラテスです。古代ギリシアでは病気は宗教上の理由から起きるものとされてきました。それを因果関係に基づいた治療行為として始めたのがヒポクラテスだと言われています。

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今日ご紹介する「ヒポクラテス」は、彼の開いた治療院の後継者となるべく、医療チームを率い自らがヒポクラテスの後継者であることを証明するゲームです。人の命に向き合うという尊い行為の根源をヒポクラテスを通し体験できるという僥倖!まさに年末にふさわしいでしょう!そうでしょう!そうなんです!ヒポクラテス開けちゃうんだぜ!(不安

 

 

ヒポクラテス

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プレイ人数:1〜4人

対象年齢 :12歳以上

プレイ時間:90〜120分

国内発行元:ふるりん本舗

fruhling.stores.jp

Boardgamegeek

boardgamegeek.com

 

 

ヒポクラテスってどんなゲーム?

ヒポクラテスはちょっと変則的なタイル配置系のボードゲーム。患者を治療する医師たちを率いVPを集めるボードゲームなのですが、ちょっとしたパズルのようなタイル配置をおこないます。

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医師たちは処方できる薬の種類と回数が決まっていて、招いた患者に合わせた処方を行う必要があります。治療院には各地から評判を聞きつけ訪れる患者たちが列をなして待っているのですね。実際に列をなし、神殿に入りきらない患者タイルが積み上がります。

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適切な医師を雇い、適切な薬を処方しなければ患者は亡くなってしまいます。ヒポクラテスの後継者として名を成すため、プレイヤーたちは雇う医師と招く患者の組み合わせに頭を悩ませることになるのですな。

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医療チームのの評判を高め、治せる可能性の高い患者を招くことも大切です。ダイスの目に振り回されそうな患者タイルのドラフトも、助手をうまく使うことでより治療を完了する確率があがり、ヒポクラテスの後継者としての名声につながるのです。医師たちに賃金を支払い高価な薬を集めながら、より多くの患者を治療し名声を高めていくのですね。

患者の命のために奮闘するゲームかと思いきや非常にシビアなお金のコントロールを求められるゲームで、あまりの苦しさに命ってお金だっけ...?というような気分になるヒポクラテス。BGGのウェイトは2.75なんですけども、、普通に重苦しい治療院経営をしている感覚を味わえる中量級ゲームですよ。

 

ヒポクラテスのアートワーク

タイルがちょっと薄めなのが気になるところですが、アートワークがとっても雰囲気があっていい感じ。当時の治療院を模したメインボードは縦置き型なのだけど、これが久しぶりに超デカイのです(笑)

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縦70㎝のテーブルに置いてみても、余裕ではみ出るサイズ。これをしっかり収めるためにはかなり広いテーブルが必要になりますな。。。

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メインボードやタイルのイラストのみならず、立体トークンとなった薬瓶や特殊ダイスなど、全般的に雰囲気あふれるコンポーネントになっています。

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トータルデザインは秀逸の一言。ちょっとタイルが薄手(でも丈夫だけど)なのが個人的には残念ポイント。

 

ヒポクラテスのルール・遊び方

ゲームは全部で4ラウンドで終了しますよ。各ラウンド毎に3名の患者を招き入れ、死なないようにバランスをとりながら医師たちと患者の治療に励むのですよ。

ゲームの準備

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色分けされたタイルやコマをメインボードの所定の位置に配置していくのだけど、こまかな手順があるのでルールブックをよく読みながら準備するのが良いと思う。また各ラウンドの最後には翌ラウンドの準備があるため、ゲーム全般を通して手順間違いなどには気をつけたい感じ。

手番の流れ

手番は5つのフェイズに区切られていているよ。各フェイズのプレイ順は受け入れコマの並び順、評判トラック順と、参照する場所が異なるので注意が必要だぞ。

1.受け入れフェイズ

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患者を自分の治療院に受け入れるフェイズ。各プレイヤーが3回づつ患者をお迎えしたら「お布施の回収」が発生します。

a)ダイスロール

b)患者の受け入れ

--a▶︎bを繰り返して3人づつ患者をお迎えしたらcが発生するよーー

c)お布施の回収

2.支払いフェイズ

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雇用している医者に賃金を支払います。評判トラックの位置で一人当たりの支払い金額が決まりますよ。

3.雇用フェイズ(評判トラック順)

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新たに医師を雇ったり、薬を手に入れるフェイズ。手番は評判トラック順なのだけど、予約トークンを使うとフリーの医師の中から2ドラクマで1名予約も可能。この後に行う地域限定医者の雇用と合わせて、最大2名まで雇うことが出来るのです。地域限定医者と薬をセットで購入すれば知識タイルも獲得できるので、このフェイズの選択はゲームの展開を左右するので悩みどころ。

a)地域フリー医者の予約(2ドラクマ)

b)医者の雇用と薬の購入(セット購入・パスも可)

c)雇用スペースのリセット

フェイズの最後に行う雇用スペースのリセットはちょっとややこしいので、しっかりとルールブックを確認しながら作業しませう。

4.治療フェイズ

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治療院に迎えている患者に薬を処方します。医者と患者を組み合わせ、それらにあった薬を処方するのですが、必要な薬を処方できる医者、実際に処方できる薬の数のどちらも用意していないと治療を行うことができない点に注意。医者は6角形タイルの辺に薬アイコンを持っていて、このマークに患者タイルを接続すると薬を処方(処方タスク)したことになるよ。全ての薬アイコンのある辺に患者が接続できると処方タスクをクリアしたことになり、この後の得点フェイズでその医者からVPを得ることができるのです。

a)患者と医者の組み合わせ

b)薬の処方

5.得点フェイズ

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まず自分の治療院に残っている患者を、1段下のスペースに移動します。3段ある1番下のスペースに患者が移動するとその患者は冥府へ旅立ち、死を迎えた事になるのだね。冥府に行ってしまった患者1名につき、得点計算時に3VPを失うことになるので注意しましょう。患者の命は重いです。

このラウンドに治療した患者がいた場合、1名につき評判トークンを1つ右側のエリアに移動します。(評判を獲得したことになるよ)

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a)患者タイルの移動

b)評判の獲得(このラウンドに治療した患者数)

c)患者の退院

d)医者の退任(退任せずに残留も可能)

e)上乗せ金の追加と患者列の補充

フェイズの最後には患者タイルを補充するのだけど、場に残った患者の上には1ドラクマが乗せられる。見てもらうことができなかった患者たちが、われ先にとなけなしのお金もお布施に上乗せしているかのようで。。。心苦しい。

これらを4ラウンド繰り返し、最終的なVPが1番高かったプレイヤーが勝利するよ。

 

ソロプレイはできる?

出来ます!ルールそのものは基本的なプレイとほぼ変わらないのはとても嬉しい。ただし、ソロプレイはNPCとの対戦になるため手動でNPCの手番を操作する必要があるのでその点ちょっと煩わしさはありますよ。

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NPCは自分の手番になると患者タイルを奪ったり、医者タイルを奪ったりとなかなか問題行動が派手なbotです。あっというまに医者がいなくなったり、狙っていた患者がいなくなったりします。辛いのです。患者のために治療をしたいのに薬を買う金が無い。医者を雇わないと新しい処方が出せないのに、必要な薬を処方できる医者はNPCによって取り除かれてしまう。そして患者は冥府に旅立ち、必要な薬はあいも変わらず足りぬまま.....

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ムッキィィィィ( ゚皿゚)キーッ!!

お金が!お金がありませっん!(錯乱)

 

ヒポクラテスの感想・まとめ

まず医療という行為に対してのロマンとか使命感は脆くも崩れ去り、卓上で繰り広げられたのは金の亡者感あふれる治療院経営でした。患者を助けるために必要なドラクマ、どんだけ要るねん!!!なんであんな微妙なところでお金足りんくなるん?

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あぁ、、ヤクが、ヤクが足りん....買う金もない。医者を引き止めておくことも雇うこともままならない。ヒポクラテスの後継者となるべく孤軍奮闘するアタシを尻目に、患者は冥府へと旅立っていく。

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患者を迎え入れるのがお布施目的となった時点で、それは患者を救うという大義のための治療院経営ではなく、これこそいままで軽蔑していた金満的な病院経営の源であることに気が付かされます。そうなんです。何事もお金は超大事だと言う現実に気付かされるのです。医療ドラマのような使命感では、患者の命は救えなかったのです。

 

非常に現実的でシビアな展開となったヒポクラテス。ゲームとしては4ラウンドがほぼ同じようなテンションで進むので、ドラマチック感は薄めです。後半になるとあれもこれも出来てウワォ!みたいなのがありません。神の手をもつ医者もあらわれません。

そのため気分的な高揚感ははほぼないんだけど、、、何か心に引っかかっている感じがあるのですよね。

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思っていた以上にヒポクラテスの後継者になるのは困難を極めます。ソロだとNPSがホイホイ点数を伸ばしていくので、それをボーゼンと見ていた感じ。命って、命って....

むしろ初手からシビアに全てを見渡し、全員の命を救うの!くらい真剣な眼差しを向けるゲームです。瓦解しそうなメンタルに耐え忍ぶ厳しさを生き抜く的な感じと言いましょうか。パズル的な要素が中心なので難しいという事はないんだけど、常にリソースの確保が課題の中量級。

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ゲーム終盤に、ふと箱横に描かれたふるりん本舗のアイコンと目が合いました。そうだね、無心でゲームに没頭しないと、ヒポクラテスの後継者にはなれないんだね...

 

淡々とした展開ながら、不思議な魅力があって気持ちがひっぱられるヒポクラス....アタシにとっては挑戦しがいのあるゲームです。重量級とまでは言わないルールなんですが、結構シビアだよ?患者が冥府に旅立つのでメンタル的にも削られます。次回は全力で患者救いに行きますとも(気持ちだけな)

 

 

【ヒポクラテス販売情報】

本作もふるりん本舗さんリリース。良いぞ。

fruhling.stores.jp

 

 

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